ナッツをよく食べる人ほど死亡リスクが低い

 ナッツは木の実で、肥大した種子の胚や仁を食用にし、アーモンド、クルミ、カシューナッツ、ピーナッツ、栗、ゴマ、ぎんなん、松の実など多彩である。 人間の最初の食べ物は「木の実」だったという(アダムの創造と原罪)。 古代から人の貴重な保存食として、また神事の供物としても利用されてきた。 アーモンドは4000年前から食用に利用され、王侯貴族の高級嗜好品だったという。 米国ハーバード大学医学部のY.Bao氏らが、権威ある臨床医学誌(N.Engl.J.Med.2013:369;2001-11)に発表した調査研究によると、ナッツの摂取頻度が高い人ほど全死因死亡、癌死亡、心血管疾患死亡、呼吸器疾患死亡が低くなるという逆相関関係が明らかになったという。 ナッツをよく食べる人ほど長生きするというわけである。

 Bao氏らは米国ナース健康調査(1980~2010年)の参加者女子76464名と医療従事者追跡調査(1986~2010年)の男子参加者42498名からなる約12万人について大規模コホート研究を行った。 調査期間中の死者は、女性16200人、男性11229人であった。一盛り(28g相当)のナッツ類を平均して1週間に何回食べるかを質問票で調査した。 食べないかほとんど食べない、週1回未満、週1回、週2~4回、週5~6回、週7回以上、の6グループに分けて検討した。 なお、ナッツ摂取頻度については、調査開始時と2~4年毎に調査した。 その結果、ナッツ摂取頻度と総死亡、癌死亡、心疾患死亡、呼吸器疾患死亡とは逆相関関係を示すことが統計的に証明された。 非摂取グループに比べて、各摂取グループの総死亡減少率を見ると、それぞれ7%、11%、13%、15%、20%であり、摂取頻度が多いほど減少率は大きくなり、週7回以上のグループで最も高かった。 先行研究で、ナッツ摂取量が多い人ほど、心血管疾患や2型糖尿病など慢性疾患リスクが低くなることは知られていたが、死亡リスクとの関連は不明であった。

 ナッツ類は不飽和脂肪酸、植物性たんぱく質、ビタミンE,B1,B2,ナイアシン、ミネラル(K、Mg,Ca,Znなど)、フィトケミカル(フラボノイドなど抗酸化物質)および食物繊維を多く含むという栄養学的特徴をもっている。 ナッツの持つ栄養学的総合効果が、ガンや慢性疾患の発症を予防し、長生きに貢献しているのであろう。

 何事も、「過ぎたるは及ばざるが如し」という。 英語では「More than enough is too much.」である。 ナッツ類は、一度手を出すと口当たりの良さからやめるのがしばしば難しい。 自制心をもって上手に利用したいものだ。


   よろこべばしきりに落つる木の実かな      富安風生
   詠めてこそここだ降りくる木の実かな      中島 葵
   胡桃落つ音すぐ消えて山の池          飯田龍太

 
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中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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