早歩き30分で死亡リスク半減

 毎日30分以上の早歩き(相当の運動)をしている2型糖尿病の患者は、殆ど運動しない患者に比べて死亡の危険がほぼ半分だったとの研究結果を、厚労省研究班がこのほど公表した。 新潟大学などの研究班は、全国69の医療機関における糖尿病患者約1700人を対象として、仕事や日常生活以外での1週間の運動量が多い順に3つのグループに分けて8年間追跡調査した。

 その結果、合併症などで死亡するリスクが、運動量が最も多かったグループは、運動量が最も少ないグループの0.47倍と、半分(5割)以下になっていた。 また脳卒中を発症するリスクも最も運動量が多いグループは、最も少ないグループの0.57倍と4割近く低かった。

 最も運動量が多いグループは、時速6キロメートルの早歩きに相当する運動を毎日30分以上していた人達で、運動時間の平均は1時間10分程度であった。 糖尿病の治療は、これまでどちらかといえば食事療法薬物療法が主体で、運動療法は軽視されがちであった。 しかし運動の効果はこれまで考えられていた以上に大きいことがこの研究で明らかとなったのである。

 運動療法の基本はウォーキングであり、その治療効果は近年多岐にわたり、世界的に科学的根拠が集積されつつある。 例えば、1)運動は認知症のリスクを減らす{Larson EB et al.:Arch Intern Med 2006:144(2):73-81},2)運動は傷の治癒を早める{Emery CF et al.:J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2005:60(11):1432-36}, 3)ウォーキングにより、乳がんの死亡率は半減する{Holmes MD et al.:JAMA2005:293(20):2479-86}、などである。

 60歳以上の高齢者が運動を始めるのに当たり、最も注意すべきは転倒しないことである。 高齢者の転倒は大腿骨骨折などを起こしやすく、回復も遅く、寝たきりにつながりやすい。 特に選びは転倒予防の上でも大切で、ウェアは綿100%より吸汗速乾性のあるシャツが快適で、軽くて小さくたためる上着も用意したい。 高齢になるほど下肢筋力が低下しており転びやすいので、体力指標となる心肺機能下肢筋肉量柔軟性に応じて、無理のない運動プログラムを組み立て、適宜増減しながら継続することが大切である。

 山路きて何やらゆかしすみれ草               松尾芭蕉
 ウォーキング一息入れる風の初夏              中島澄夫
 夏川をこすうれしさよ手にぞうり               与謝蕪村
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コメント

No title

おぉ-(o゚Д゚ノ)ノウォーキングのカは凄いですね!
わかってはいても 中々出来ないんですよね

こんなに 安上がりで体に良い事なのに^^

Re: ウォーキング

> おぉ-(o゚Д゚ノ)ノウォーキングのカは凄いですね!
> わかってはいても 中々出来ないんですよね
>
 「意志あるところに道あり」ですね。 安易な道に走って結局損をするのは本人ですから気を付けたいです。
  分かったら少しでも努力しようと変身できるのもヒトですね (*^。^*)
> こんなに 安上がりで体に良い事なのに^

 人の見えないところで、どれだけしっかり生きられるかが大切なように思います。お金を使う前に何をすべきかを見極め、しっかり考えて行動したいです。

No title

早歩きは健康に本当によいのですね。
ウオーキングとして時間をつくるのは難しい日もありますが、日常生活の
なかで工夫して、出来るだけバスに乗らずに歩くことを心掛けています。

 ウオーキングしているといつも出会う人から声をかけられ、畠のまわりを歩いていると新鮮な野菜をいただいたり、嬉しい出会いもあります。

 今日は黄砂が飛来するとのことで、マスクとメガネをかけ人相がわからない格好で歩きました。

 人通りの少ないところでは歌を口ずさみながら歩いています。ウオーキングフレンドも出来、お茶したことも。
 

Re: No title

> ウオーキングとして時間をつくるのは難しい日もありますが、日常生活の
> なかで工夫して、出来るだけバスに乗らずに歩くことを心掛けています。
>
好きなものを腹いっぱい食べることができるこの飽食の時代において、長い距離を歩くことの重要性が見直されています。 もって生まれた大切な「歩く機能」が年とともに廃れないよう心がけたいですね。

>  ウオーキングしているといつも出会う人から声をかけられ、畠のまわりを歩いていると新鮮な野菜をいただいたり、嬉しい出会いもあります。

 家の中でじっと動かずTVなどをみている時間を減らし、もっと足を使って自然に触れる時間を増やしたいものです。歩きながらの楽しみはいろいろありますが、自分なりの楽しみをもつことも、継続の武器かもしれません。ただし、車が異常に増えていますので交通事故には十分注意したいです。コース選びも楽しみの一つです。
>
>  人通りの少ないところでは歌を口ずさみながら歩いています。ウオーキングフレンドも出来、お茶したことも。
>  
 歌はよいですね。 年をとると顔の筋肉も減少し、口がたるんで自分の口の粘膜を咬んでしまったり、しわも目立ってきて、誤嚥も増えます。高齢者の誤嚥性肺炎は命取りにもなります。歌は口周りの筋肉を鍛え、認知症の予防にもなり、歩きながらの歌は「一挙両得」です (^◇^) 
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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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