冬野菜の王様はダイコン

 冬の畑は静かで、他の季節のような賑やかさはないものの、大根だけは葉も根も元気がよい。まさに冬野菜の王様だ。 春の七草の一つで、「すずしろ」(清白)の別名がある。 また「ダイコ」や「つちおおね」(土大根)の呼び名もある。 そしてエネルギーが低く、食物繊維の供給源として、生活習慣病対策に向け、存在感を高めている野菜である。サラダにしてよし、おろしてよし、煮物にしてよし、漬けてよし、と利用範囲は広い。 寒風吹き、乾燥するこの時期は、切干大根作りにうってつけである。 切干大根は年中使える便利な保存食で、私も先週より切干大根作りの実戦を開始、例年、寒中行事の一つとなっている。 

 大根の原産地は地中海沿岸から中央アジアといわれ、エジプトでは4000年以上も前にピラミッド建設の労働者達の食糧だったという。 シルクロードを経て日本に伝わり、栽培が盛んになったのは江戸時代になってからである。 日本人の好みに合わせて品種改良がおこなわれ、現在日本では白首、青首など100種類以上の品種がある。 日本ほど大根を広く利用している国は他にないとされ、世界の大根の約9割を日本が生産、消費しているといわれる。 都道府県別収穫量日本1位は千葉県で、北海道、青森県がこれに次ぐ。

 大根の根はほとんど水分で、少量の炭水化物を含むのみで、低エネルギーである一方、ミネラル類(カリウム、カルシウム、亜鉛など)、消化酵素類(アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼなど)、ビタミン類(V.C, V.B1,V.B2など)をバランスよく含み、秋から冬にかけてのよい食物繊維の供給源でもある。 生食すると、消化酵素の働きで消化がよくなる事は広く知られる。 大根おろしの辛みは、葉の部分から遠くなるほど強くなり、細胞の破砕に伴って生じる抗酸化物質、イソチオシアネートによる。 大根の葉はカリウム、カルシウム、鉄などのミネラルを根の2~10倍も多く含む。 ビタミン類でも根にはないカロテン(体内でビタミンAとなる)やビタミンEが豊富に含まれ、ビタミンCは根の5倍も多く含むので、葉の利用価値は高い。 緑黄野菜が少ない冬場には葉を大いに利用したいものだ。


 徳川五代将軍の綱吉は脚気になり、八百屋の娘であった生母の桂昌院の機転で、練馬大根を食べて治ったとされる。 また吉田兼好は徒然草の第六十八段で、「つちおおねをよろづにいみじき薬とて、朝ごとに二つづつ焼きて食ひける事、年久しくなりぬ」と書いている。 大根は俳句では「ダイコ」と読まれることが多く、冬の季語で多くの俳人が詠んでいる。


 何にても大根おろしの美しき   高橋順子
 身にしみて大根辛し秋の風    松尾芭蕉
 見事なるずん胴うれし大根引く  中島 葵
 大根引き大根で道を教へけり   小林一茶


 そこで私も一句 : 大根引くナイスバディの白い肌      中島澄夫

 近年、大根栽培はやや減少しているようだが、日本の野菜の中では栽培面積、生産高とも、トップクラスのダイコンを大切に育て、存分に活用したいものだ。

 焼額山スキー場より横手山遠望

 志賀高原・焼額山スキー場頂上付近から横手山方面を望む(2013年1月18日撮影)

 
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コメント

No title

(ノ゚⊿゚)ノびっくり!!大根って100種類もあるんですか
本当に 大根って捨てるところないし、
色んな料理に使えます、大好きですね、

切干にすると 栄養が増し美味しくいただけますよね^^

Re:ダイコンいろいろ

> (ノ゚⊿゚)ノびっくり!!大根って100種類もあるんですか
 世界一大きい大根は、桜島大根で31.1kgの記録がギネスにあり、世界最長の大根は2mを超える こともある守口大根です。守口大根は主に愛知県で作られ、守口漬は名古屋の特産品となっています。 二十日大根 は小さくて赤い色もよく、生食向きです。私は好きで時々作ります。
> 本当に 大根って捨てるところないし、
> 色んな料理に使えます、大好きですね、
>
> 切干にすると 栄養が増し美味しくいただけますよね^^
 作り過ぎると籐立ちして花が咲いてしまうので、そうならないうちに切干にすることにしています。

No title

簡単で便利でおいしく、健康にもよく、大根は本当に貴重なお野菜ですね。私も味の浸み込んだ柔らかい大根に甘い味噌をかけて食べるのが大好きです。
 ご自分の畠で収穫され、千切り等にもかかわられるなんて尊敬します。
今は葉のついた大根はめったにお目にかかれません。
今まで二十日大根しかつくったことがないので、今年は頑張って挑戦してみようと思います。

Re: ダイコン作り

>  ご自分の畠で収穫され、千切り等にもかかわられるなんて尊敬します。
 作り過ぎた大根の有効利用の一環ですが、切干大根料理はいつ食べても
   美味しいです。 ですから寒いこの時期の週末には空を眺めては精を出して
   います。 天気予報が気になるこの頃です(^◇^)
> 今は葉のついた大根はめったにお目にかかれません。
   青空野菜市を覗くと葉っぱ付きの大根を見かけますが、スーパーではあまり見かけませんね。
>  今まで二十日大根しかつくったことがないので、今年は頑張って挑戦してみようと思います。
   初挑戦の場合は、「大蔵大根」か「宮重大根」辺りが無難かと思います。

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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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