浣腸するときに注意すべき3つの掟とは

 便秘が原因でお腹が痛い時には、浣腸摘便で肛門付近の直腸内に溜まった便の塊を取り除くと楽になる。 浣腸は肛門を経由して腸内に液体を注入し、摘便は肛門から手の指を入れて便を出す医療行為である。 浣腸は使用する器具により、ディスポーザブル浣腸、シリンジ浣腸、高圧浣腸などに分けられ、一般には30~50%グリセリン液の入った使い捨て(ディスポーザブル)浣腸を行うことが多い。

 腸内に入ったグリセリン液は、硬便を溶かし軟らかくし、潤滑油として働いて便の滑りをスムーズにするとともに、その浸透圧によって大腸粘膜を刺激し腸の蠕動運動を促進して排便を促す。  グリセリン液は体温よりやや高め(38~40℃)に暖めておくのがよい。 挿入チューブにはワセリンや食用油などの潤滑剤を塗り、スムーズにゆっくり挿入するよう心がける。

 医薬品医療機器総合機構は今月の医療安全情報として、便秘の時に行う「グリセリン浣腸」時の「3つの掟」を公表し、注意を呼び掛けている。

 {その1}立位で後ろから浣腸処置をすると、直腸穿孔の危険性があるのでできれば立位では行わないこと。立位で行うと先端が直腸前壁に当たりやすく、直腸を破る危険がある。

 {その2}挿入管に付いているストッパーを直腸内に押し込まないこと。直腸内にストッパーが遺残してしまった事故が約40件報告されており、ストッパーが直腸内に入り込まないよう、しっかり目視しながら行う。

 {その3}結腸の解剖学的な特徴から、浣腸時の体位は、体の左側を下にして寝た「左側臥位」が最も適当であり、原則として左側臥位で行うこと。チューブを挿入する長さは、目安として5~6cmであるが、抵抗を感じた場合には直腸壁に当たっている可能性があるので無理に進めず、少し引き戻すよう努める。

 浣腸は急激に血圧を下げる処置であり、全身衰弱の強い患者、重篤な心疾患、重症高血圧、頭蓋内圧亢進症状などをもつ患者では、ショックを引き起こす危険性があるので、避けなければならない。なお、近年、性行為としての浣腸プレイ(エネマプレイ:enema play)があるという。 これは性的嗜好を満足させるための行為であるが、もちろん注意点は変わらない。
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中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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