馬酔木満開の京都へ

 ホテル利用のポイントがたまり、2人利用の一泊が無料となったので、櫻にはちょっと早いが、3月17日~18日にかけて夫婦で春の京都旅行を試みた。 朝京都駅で荷物を預け地下鉄とバスを利用し、入試の終わった京都大前で下車、キャンパスを散策したのち、吉田神社を経て吉田山へ。 「紅もゆる丘の花」の歌碑を仰ぎ見ながら一服して、「大涅槃図」を特別公開中の真如堂へ。 拝観料を払うと、無病息災が叶うという「花供曽あられ」がもらえた。

 お釈迦さまは3月15日が命日、入寂の日とされ、真如堂では3月1日(木)より4月1日(日)まで涅槃図を公開中である。 全国の仏教寺院は、お釈迦様の命日に、涅槃絵図を掲げて法要を行うが、宗教画である涅槃図は画家により筆致に違いがある。 だがいくつかの約束事を踏まえて描かれているとされる。 中央に、亡くなって北枕で右脇を下にした釈迦が横たわり、その周りに弟子や鳥獣が集まり嘆き悲しみ、沙羅双樹も枯れ果てるといった様子が描かれる。 そしてすべてを見守るように満月が輝いている景色である。

 特質すべきは、お釈迦さまの生母・摩耶夫人(まやぶにん)が、天井から雲に乗って馳せ参じ、我が子の病を治そうと、薬袋を投げるも頭上の木に引っかかって届かなかった模様が描かれていることである。 現在医療界で広く使われている「投薬」という言葉の由来とされている。 真如堂の大涅槃図は、江戸時代の宝永年間に描かれたもので近年修復され、極彩色で大きさは縦6m、横4mで、泉涌寺のものには大きさでは及ばないが、描かれている動物は日本最多の127種類と、なかなかみどころのある涅槃図である。 もちろん撮影はできない。

 真如堂を見聞し、庭の沙羅などを鑑賞してから、近くにあるアセビが満開の吉田山荘へ出向き、敷地内のカフェ・真古館で一服した。 吉田山荘の女将さんの筆による季節の和歌が添えられた手作りのケーキは絶品で、心が満たされるティータイムであった。 吉田山荘は裏菊紋の格式の高さが偲ばれる建物で、昭和天皇の皇后さまの弟君、東伏見宮家が京大生だった頃に別邸として建てられ、戦後にハイクラスの料理旅館となっている。

 吉田山荘を出て、再度真如堂の境内を横切って、哲学の道へと歩を進め、銀閣寺まで歩いてこれを見学して、旅行の第1日を終えることになった。

涅槃図をあふるる月のひかりかな  黒田杏子
摩耶夫人投薬一気涅槃変  中島澄夫
青鬼のいよいよ青く涅槃変  中島 葵
御寝息聞こえさうな寝釈迦かな 安藤悠木
さながらに鳥獣図鑑涅槃絵図  木村由起子

石の涅槃像(
石で造形した涅槃像・京都の真如堂にて (2018年3月17日 撮影)

吉田山山頂
吉田山山頂 (2018年3月17日 撮影)

銀閣寺のコケ庭
銀閣寺のコケ庭 (2018年3月17日 撮影)
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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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