帯状疱疹と予防ワクチン

 庭先で美人の象徴でもあるシャクヤクが咲き競い、可憐で美しい花を咲かせている。 芍薬の花言葉は、「はじらい」、「謙遜」、「はにかみ」、「慎ましさ」、「内気」だという。 華やかな大輪の花を咲かせるボタンの花と似ており、英語名はともに「peony」といい、英語圏では同じだが、芍薬は草、牡丹は樹木である。 きれいな女性を表現する言葉として、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」がある。

 さて、中高年が疲れたり、免疫力が低下したときにかかりやすい皮膚病の一つに帯状疱疹がある。 春や秋など気温が急激に変化する季節の変わり目や湿度の高い時期に多い。 患者の約70%を50歳以上が占める。 体の左右どちらかの片側に、帯のように水かぶれ(水疱)の集合ができ、チクチクと痛みを伴う病気である。 

 子供の頃に罹った水ぼうそうのウイルスが、脊髄神経や三叉神経の神経節に遺伝子の形で潜伏しており、これが過労やストレス、免疫力の低下に伴いウイルス粒子に復活して皮膚に帯状の水疱を作る。 症状は痛みから始まり、赤い発疹ができ、小さな水ぶくれとなる。 体の両側に広がることはない。 皮膚病変が消えても痛みだけが残ることがあり、「帯状疱疹後神経痛」の名がある。 高齢者では、破壊された神経の回復が遅れ、神経痛が残りやすい。 皮膚や神経のダメージを軽くするため抗ウイルス薬(アシクロビル、塩酸バラシクロビル、ファムシクロビルなど)を使った早期治療が望ましい。 

 超高齢社会を迎え、予防が重要だ。 最近、米国で65歳以上の高齢者約200万人を対象にして、帯状疱疹ワクチンの効果を検討したところ、ワクチン接種は、入院を必要とするような重症帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛に対し高い効果を示すことが判明したという。 米国では帯状疱疹ワクチン(Zostavax)が2006年に承認され、60歳以上の年齢層は積極的に接種するよう勧告されている。 このワクチンは日本では未発売である。 日本では、50歳以上の大人に対し、子供用の水ぼうそうワクチンを帯状疱疹ワクチンとして予防接種することが2016年3月に認可された。 現在、成人への帯状疱疹ワクチンの定期接種の検討が始まっている。

芍薬の蕾のどれも明日ひらく  海野良子
芍薬のつんと咲きけり禅宗寺  小林一茶
芍薬はかよわき花のうてなかな  松岡青蘿

H29芍薬1
我が家の庭に咲く芍薬 (2017年5月14日 撮影)
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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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