温泉入浴と肺炎

 春秋は温泉が楽しめる季節である。 解放感と景色を楽しめる露天風呂は、また格別である。 冬の露天風呂へ入るにはちょっと勇気がいるが、暑くなく寒くない春秋は温泉にはもってこいの季節というわけだ。

 先月、広島県の「みはらし温泉」で、入浴利用者40人が、レジオネラ菌に感染し、うち50歳代の男性1人がレジオネラ肺炎で死亡したと報道された。 レジオネラ症はレジオネラ菌による細菌感染症で、感染しても全ての人が発症するとは限らず、免疫力の低下した中高年で発症しやすい。 浴室内の清掃や洗浄が定期的にきちんとできておらず、設備の衛生管理が不備な時に起こりやすい。 細菌に汚染された湯水を、エアゾル(空気中の微粒子)として吸入することで感染する。 近年では空調設備の冷却塔・クーリングタワー水、循環式浴槽水、給湯器の水などにも寄生、増殖することがある。

 レジオネラ症を発症した場合、軽症では一過性の発熱(ポンティアック熱と呼ばれる)、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛で済むが、一部は劇症型の肺炎(レジオネラ肺炎と呼ばれる)となり、これは早期治療しないと多臓器不全となり死亡率の高い肺炎である。 市中肺炎の約5%を占めるとされる。 ポンティアック熱は、米国ミシガン州のポンティアック市で起こった集団感染例に因んで命名された。

 診断は市販の迅速キットを使い、尿中抗原を検出することによる。 尿中抗原陰性の場合には、喀痰中の遺伝子を検出する迅速診断法がある。 肺炎の治療では、静注用のニューキノロン系薬が第一選択薬である。 ニューキノロン、マクロライド系抗菌薬を投与しないと、7日以内に死亡することが多いとされる。

 ハイリスクグループとして、高齢者、新生児、大酒家、ヘビースモーカー、糖尿病患者、透析患者などがある。 感染者の約8割を男性が占める。

湯上りの尻にべったりせうぶかな  小林一茶
山中や菊は手折らぬ湯の匂  松尾芭蕉
月光に照らされわが身露天風呂 中島澄夫

H29和合の里桜
桜咲く 老人保健施設 和合の里にて (2017年4月7日 撮影)

H29庭の椿
我が家の庭の椿(横雲) (2017年4月2日 撮影)



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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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