朝食と健康づくり

 ブレスロー博士が提唱した7つの健康習慣参照)の一つに「朝食を毎日とる」がある。 彼は、例えば45歳の人で、7つのうち6~7個守る人は0~3個守る人に比べ、男で約12年、女で約7年長く生きることを明らかにし、寿命に及ぼす生活習慣の重要性を指摘した。 

 農耕民族の日本人は狩猟民族の欧米人に比べ、もともと膵臓からのインスリン分泌能力が低いので食材があるときに大量に食べる欧米型の食生活を送ると簡単に2型糖尿病を発症してしまうことになる。 そこで普段から食後の血糖上昇をできるだけ抑える食べ方の工夫が必要で、これにはまず最初に野菜(生、調理)を食べることから始めるのが良い。 野菜に含まれる食物繊維が糖分の消化吸収速度を遅らせるので、たとえ食事量は同じでも食べる順序を変えるだけで、血糖上昇を抑えることができるのだ。 糖尿病は血管病で、血管老化は長年無症状に進行するため脳卒中や心筋梗塞、腎臓病、網膜疾患など重大事象が起こるまで安易に過ごしてしまう人が多い。 糖尿病を発症し、糖化ヘモグロビン(HbA1c)値が6.5%(JDS値)を超えたまま過ごすと、血管老化は約10年早まるといわれるので、我々は食事の時にはいつも食後の血糖上昇が過度にならないように食べる量やその順序などの食べ方を工夫する必要がある。

 食べるときの速さも問題だ。 早食いの人に肥満やメタボが多いという現実がある。日本人の1回の食事における咀嚼回数と食事時間は、鎌倉時代にはそれぞれ2600回と30分であったものが、江戸時代には1400回と22分となり、現代では600回と11分となっている(参照)。少食多噛を実践し、一口30回噛むよう心がけたい。

 最近の米国ミネソタ大学の研究グループによる発表では、1週間の朝食回数が増えるに伴い腹部肥満などのリスクが低下し、毎日朝食を食べる人は週0~3回の人に比べ、2型糖尿病の発症リスクが34%低かったという。朝食を欠食すると強い空腹感に耐えられず大食する人が多くなることが主原因のようだ。

 朝は体が温まる陽性食品(魚、鶏卵、肉、味噌、梅干し、チーズ、納豆、ニンジン、ゴボウなど)にウエイトを置き、夜は体温を下げて入眠を良くするためにも、体を冷やす陰性食品(キャベツ、レタス、ジャガイモ、トマト、キュウリ、バナナ、牛乳、酢など)にウエイトを置いて食べるのが理にかなっている。
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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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