腸内細菌とうつ病

 腸内細菌と人間がかかる病気や免疫との関わりについての研究が進んでいる。 近年、腸内善玉菌の効能を特化したヨーグルトが次々と発売され、注目の的である。 胃がんの病因となる胃内ピロリ菌の除菌を助けるLGー21乳酸菌、メタボの改善に効果を発揮するとされるガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株のヨーグルト、ストレス緩和のC-23ガセリ菌、皮膚機能改善効果を示すLBー81乳酸菌、花粉症症状を緩和するBB-536ビフィズス菌やL-92乳酸菌、風邪・インフルエンザ予防など免疫強化作用を持つ1073R-1(ブルガリア菌)のR-1ヨーグルトやクレモリス菌FC株のカスピ海ヨーグルト、整腸作用の強いLKMー512ビフィズス菌のヨーグルト、痛風改善効果を示すPA-3乳酸菌のプロビオヨーグルトなど百花繚乱の観がある。

 この頃は、鉄分、ラクトフェリン、オリゴ糖など特殊な成分を配合したものもあり、また生きたまま大腸まで届きやすくした製剤(ビフィコロンなど)や各種プレーンヨーグルトなども登場している。

 お目当てのヨーグルトを1個買って来れば、ヨーグルトメーカーと牛乳パックを使って、家でも簡単に作れるので便利である。 

 さて、国立精神神経研究センターの研究グループによる最近の発表によると、うつ病の人は健康な人に比べて、腸内のビフィズス菌など善玉菌が少なく、菌数が一定以下になるとうつ病を発症する確率が高くなるという。 

 研究では、43名のうつ病患者と57名の健常者を対象に糞便を採取し、1g当たりのビフィズス菌乳酸菌(ラクトバチルス)の菌量をPCR法で測定し比較した。 その結果、うつ病患者では健常人に比べ善玉菌が有意に低下しており、ビフィズス菌の菌量(中央値)は糞便1g当たり健常人では100億個あるのに対し、うつ病患者では32億個と少なく、ラクトバチルス菌は健常人で398万個あるのに対しうつ病患者では79万個と低値であった。 ビフィズス菌が約34億個以下、ラクトバチルス菌が約309万個以下の人は、うつ病を発症しやすくなり、発症リスクはそれぞれ3倍、2.5倍にになるとしている。

 うつ病の主因は、「幸せホルモン」とも呼ばれる脳内神経伝達物質の一つである「セロトニン」の不足であるとされ、セロトニンの生成には腸内細菌(善玉菌)の助けを必要とする。 セロトニンの約90%は腸内にある。 セロトニンの前駆物質である5HTPを脳に運ぶ任務を善玉菌が担っているとされることから、うつ病の治療では腸内の善玉菌を増やす工夫が必要となる。 抗うつ薬に代わる新しい治療の道が開かれる可能性を秘めた発展である。 

蛍狩われを小川に落としけり  夏目漱石
オクラ伸ぶ花は太陽真に受けて  中島澄夫
花と実と一度に瓜の盛りかな  松尾芭蕉

オクラ2016
勢いよく伸び始め収穫も始まった我が家のオクラ (2016年7月6日 夕 撮影)
 
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中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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