高齢者に増える慢性便秘

 便秘とは、一般にそれまでほぼ毎日1~2回あった排便の回数が減少し、回数が1週間に2回以下の状態となり、3か月以上続く場合をいう。 加齢とともに直腸が大きくなり、その容量が増えるとともに、内圧上昇に対する直腸肛門反射の感度が鈍くなってしまうことや、身体活動の減少と常用薬剤(制酸薬、抗コリン薬、降圧薬、抗うつ薬など)の作用で大腸運動が低下する、などのため高齢になるのつれ慢性便秘になる人が増える。 米国では、60歳以上の3分の1が慢性便秘を経験しているとされ、日本でも私が勤務する老健施設の入所者の多くは慢性便秘を呈し、何らかの対策を必要とする人が多い。 

 このような流れの中で、米国消化器学会(AGA)は便秘管理の支援に向けて、「クリニックの受診や投薬なしで便秘を解消する5つのヒント」として、次の5項目を挙げ公表している。

 1. 全粒穀物、果物、野菜など食物繊維の多い食品を摂取する。
 2. 速足で歩く、自転車に乗る、芝生を刈る、など中等度の運動を実践する。 週に最低2時間30分の運動を心がける。
 3. 水分を多くとる。 女性は1日最低9杯、男性は最低13杯。
 4. 便意は食後に起こりやすいので、食後の排便時間を確保する。
 5. 便意を我慢しない。

 いずれも便秘解消に向けて、先ず自らやってみるべき有用な助言である。 経口摂取で便秘改善に役立つものに、プルーンアボカドがあり、腸内で保水性が高い粉寒天を汁物などに入れて食べるのも役立つ。 就寝前の牛乳1杯が役立つ場合も少なくない。

 水の飲み方にも一工夫する必要がある。 食事を普通に食べれている人の場合は、3回の食事で約1リットルの水が含まれているので、飲み水として1日1~2リットルを、ティーカップ1杯程度でこまめに(1~2時間ごと)、とるのがよい。 1度に大量の水を飲むと、低ナトリウム血症を起こし、意識障害や脳浮腫、筋肉けいれんを起こすことがある。 「適量をこまめに」飲水するのがコツである。 

 最後に尿意は我慢してもよいが、便意を我慢するのはよくないことを意識して生活したいものである。 

鯉のぼり泳いで泳いでまた泳ぐ  中島澄夫
この顔を五月の風にあづけけり  三吉みどり
江戸住や二階の窓の初のぼり  小林一茶
あいまいな空に不満の五月かな  中澤敬子
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中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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