欧米に「寝たきり老人」がいないのはなぜ?

 スウエーデンやデンマークなど北欧の福祉大国を含めて、欧米の病院や老人介護施設では、寝たきり老人をみることは極めてまれで、一人もいないのが普通であり、口から食べれなくなって人工的にお腹に穴をあけ、この穴から胃の中へ直接栄養を与える胃瘻患者をみることもほとんどない。日本の現状とは大違いである。虚弱化して自分で食べれなくなった高齢者に胃瘻や点滴などの人工栄養を行い、延命をはかることは人の道、倫理に反するだけでなく、老人虐待の一つとも考えられるとする国民意識がこれらの国には根強くある。このため老衰した高齢者に胃瘻を作ることはせず、原則点滴もしない。肺炎を発症しても苦痛を伴う抗生物質の点滴や注射は行わずに、内服投与のみとする。 かくして、大多数の虚弱老人は寝たきりになる前に人生を終えることになり、寝たきり老人はいないことになる。
 
 折から、来年の2013年度から10年後の2022年度に向けての国民の健康づくり計画として第2期の「健康日本21}がスタートする。 模様替えした「健康日本21」では、現状の喫煙率19.5%を12%まで下げることを目指すとともに、自立して生活できる健康寿命の延び幅を、平均寿命の延び幅よりも上回ることを目標の一つとすることが公表された。 2010年度における我が国の健康寿命は男性70歳、女性73歳であり、要介護と認定されて生きる介護寿命は7~13歳と長い。 平均寿命から介護寿命を引いたものが健康寿命なので、介護寿命が短縮してゼロとなれば平均寿命イコール健康寿命となり、PPK(ピンピンコロリ)達成となるわけだが、現実には難しい。

 さて、尊厳死を重視する欧米型が良いのか、延命重視の日本型が良いのか国民の共通認識を高める時であるように思う。
 
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 スウエーデンやデンマークなど北欧の福祉大国を含めて、欧米の病院や老人介護施設では、寝たきり老人をみることは極めてまれで、一人もいないのが普通であり、口から食べれなくな...

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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