人食いバクテリアの患者急増

ツクツクボウシが鳴いて、秋らしくなった。 夏の台風15号の余波で近隣各地が大雨となって以来、秋雨前線が停滞してこのところ雨が降ったり止んだりの日が多い。 ワールドカップ女子バレーやワールドカップ高校野球の熱戦が続き、心を熱くする夜が続く。 今日は9月1日防災の日である。 「備えあれば憂いなし」とはいえ、最近日本を含めて、大規模な爆発事故が多い。 難しい面も多々あるが、日頃から防災意識を高めるよう努めたいものだ。

 国立感染症研究所の発表(2015.8.25)によると、「人食いバクテリア」と呼ばれる劇症型溶血性連鎖球菌感染症(溶連菌感染症)の患者が急増し、2015年8月上旬の時点で、過去最多を記録した昨年の273人を上回り、279人に達したというから要注意だ。 都道府県別では、東京、大阪、神奈川の順に多い。 感染すると死亡率が高く、約3割とされる。 原因菌の主体は、A群溶連菌で、子供を中心にのどや皮膚などどこにでもいるありふれた細菌だが、のどに感染した菌が血中に入ったり、手足の傷から菌が侵入し、何らかの原因で菌が劇症タイプに突然変異する。 悪性腫瘍や糖尿病で免疫力が落ちている人や生活習慣病の持病をもった高齢者では、劇症型になりやすい。 妊婦が感染すると発病から1日以内に死亡する例が多く、これまでに14人が罹患し、助かったのは1人だけというから恐るべしである。 

 感染すると38度以上の発熱、のどの痛み、鼻汁、咳、発疹、などのかぜ様初期症状を経て筋肉痛、手足の壊死、多臓器不全などを起こし、ショックと意識障害から数日で死に至ることの多い感染症である。 15分程度で菌の結果が判明する迅速診断キットを利用して診断する。 早期に診断して早期に抗菌薬(ペニシリン、マクロライド、セフェム)を投与すれば、それなりの効果が期待できることを念頭に置いて対処する。 手足の壊死や循環不全は重症化の徴候で、治癒はもはや困難となる。

 感染症予防対策の基本として、日頃から手洗いやうがいなどを徹底、励行したいものである。

秋風にふえてはへるや法師蝉  高浜虚子
法師蝉耳に離れし夕餉かな   阿波野青畝
茶菓出でて後は静かに法師蝉  中村汀女

 マツムシソウ
マツムシソウ: 2015年の夏(開田高原にて撮影)
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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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