野生イノシシの放射能汚染

 立夏とともにアヤメ科の花菖蒲、カキツバタ、アヤメ、ジャーマンアイリスなどが次々と開花し、まさに百花繚乱である。 畑ではスナップエンドー、タマネギの収穫が始まって味覚の春の到来でもある。 5月の連休前後は、トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、カボチャなど夏野菜の植え付けで忙しくもあるが、楽しみの多い季節でもある。

 さて、日本からは遠く離れたドイツ南部バイエルン州の話である。 2013年に捕獲した140匹の野生イノシシについて放射性セシウム濃度を調べたところ、肉1kg当たり1万ベクレルを超えていたと最近報道された。 南ドイツのイノシシには、現在でも平均7000ベクレルの放射線量を検出するようだ。 ドイツでは食肉の規制値が1キロ当たり600ベクレルなので、肉は食用にできず、廃棄処分となる。 猪肉は上牛肉と比べビタミンB1を多く含み、カルシウムは2倍以上も多い。

 猪肉に野菜、イモ類、豆腐などを加えて鍋で煮て食べる猪鍋は牡丹鍋ともいわれる。 牡丹の名は猪肉を薄切りにして牡丹の花に似せて皿の上に盛り付けする習慣に由来する。 牡丹鍋は俳句では冬の季語となっている。

 野生イノシシは放射性物質を吸収しやすいキノコやトリュフを雑食するので、汚染されやすい野獣の一つとされる。 日本でも2011年8月宮城県内で捕獲された野生イノシシの肉から、1kg当たり2200ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表された。 

 1986年4月26日チェルノブイリ原子力発電所4号炉が爆発事故を起こし、漏れた放射能は10日間で北半球全体に拡散した。 特にヨーロッパへの影響が大きく、高濃度の放射性物質を含んだ雲は、まずポーランド経由でスカンジナビア半島へ、次いでスロバキア、チェコ、オーストリアを経由してドイツへ到達した。 ドイツでは事故後に南部で強い雨が降り、北部と比べはるかに高濃度の放射性物質が検出された。 1986年のセシウム137測定値は、バイエルンの森で、300000ベクレル/m2と飛びぬけて高く、北ドイツ中央部で4000ベクレル/m2であった。 セシウム137の半減期は約30年で、現在までに44%しか減少していない。 事故から29年経過した現在でも、チェルノブイリの遺産としてその影響が色濃く残っていることを、我々は肝に銘じなければならない。

褒美待つ犬騒がしや牡丹鍋   大阪華子
猪鍋や外には雉の吊られたり  雨宮涼風
山菜とランプの宿や牡丹鍋    山島欣也

安曇野の白鳥
安曇野市明科 御宝田遊水地で憩う白鳥
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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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