花見とトンビの急襲

 先週は大方の桜が満開となり、関東地方以南の桜の名所は花見客でにぎわいを見せたようだ。 私も家から散歩圏内にある熊野神社や扇川沿いの桜並木などへ足を運び、行く春を満喫した。 遅咲きの桜もあるので、まだしばらくは場所を選べば花見を楽しむことができそうだ。 桜好きは見たところヒトは勿論だが、一番手はヒヨドリかもしれない。 桜の中を蜜を吸いながら自由に飛び交うヒヨドリがいかにも軽快で楽しそうなのだ。 

 先日、福岡市内の公園で、花見を楽しむ親と一緒に食事をしていた子供がトンビに急襲されてけがをしたというニュースが報道された。 トンビ(トビ:鳶)はタカ科の猛禽類で、「ピーヒョロロ~」という甲高い澄んだ鳴き声を響かせ、通常は空高く飛ぶ親しみ深い鳥である。 カラスより一回り大きく、上空で気流を上手に利用して滑空するので、羽ばたくことは少なく、いかにも優雅である。 弧を描きながら旋回し、餌を見つけると急降下し捕える習性をもつ。 カエル、トカゲ、ヘビ、魚、動物の死骸などを食べ、肉食が主体だが、都市部では生ごみや弁当の油揚やハムカツサンドなどをさらって食べることもあり、雑食性とされる。 同類の鳥として、ワシタカがある。 ワシ(鷲)、タカ(鷹)、トンビ(鳶)の3つを正確に見分けられる人は少ないようだ。 どれも嘴は鋭く曲がり、足の爪は鋭い。 俳句ではワシ、タカ、ハヤブサは冬の季語だが、トンビは季語ではないようだ。

 ヒトの網膜の細胞は、20万個であるのに対し、ワシやタカでは7倍以上の150万個もあるとされ、素晴らしい視力をもつので、はるか遠方の餌でも確実に見つけることができる。 トンビとカラスの掛け合いはよくみられるが、両者の食べ物は似ており、おなかが空くと旋回しながら下降して食べ物を急襲する(ストーム)習性をもつ。 ともに鋭い爪と鉤状の嘴をもっているので急襲されないよう注意が必要だ。

 花の宴では、下を見るのに夢中になりがちだが、時々は上を見る余裕をもち、トンビやカラスを発見したら早めに切り上げる勇気をもちたいものである。

鳶の輪の高きに夏至はきておりぬ   永田耕一郎
群鳶の舞なめらかに初御空       富安風生
鷹一つ見付けてうれしいらご崎     松尾芭蕉

キノコと桜
桜とキノコ(2015年4月6日撮影)

勅使池の桜
勅使池畔で咲き競う夕桜(2015年4月6日撮影)
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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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