生きる権利と死ぬ権利

 人間は基本的人権として、「生きる権利」と「死ぬ権利」を合わせもっている。 人間として生まれたからには、「いかに生きるか」は、最も大きな命題であるが、超高齢多死社会を迎えて、「いかに死ぬか」も劣らず大事な命題である。 「生まれることは死ぬことである」宿命を背負った人間にとって、「良い死」「安楽な死」は、世を問わず人を問わず、共通の願いである。


 米国カリフォルニア州サンフランシスコ在住の、まだ結婚して間もない29歳の女性、ブリタニー・メイナード(Brittany Maynard)さんが、悪性の脳腫瘍(glioblastoma multiforme)で余命6か月と診断され、インターネットで来る11月1日に医師から処方された薬を服用して「安楽死」することを公表し、大きな波紋をよんでいる。 

 末期がん患者が自らの手で「安楽死」(自発的積極的安楽死)を許されるのは、米国ではオレゴン州、モンタナ州、ワシントン州、バーモント州、ニューメキシコ州の5州に限られている。 ブリタニーさんは、意識がはっきりしており比較的元気な今月中に夫とともにサンフランシスコよりオレゴン州のポートランドへ移住した後に実行するという。 公表の裏には安楽死法を全国的に拡大したい企図があるとされる。 移住の際の旅行では、グランド・キャニオンに立ち寄るなどできる限りの冒険旅行を試み、10月末の夫の誕生日を家族とともに祝った後に11月を迎える計画である。

 「いかに生き、そしていかに死ぬか」をじっくり考えてみたい事例である。

 人間は水のかたまり曼珠沙華    松尾隆信
 あるほどの菊抛げ入れよ棺の中   夏目漱石
 背ナ流し合いしを思ひ墓洗う     中島 葵
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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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