地球温暖化とデング熱

 日本では約70年前(1942~1945年)に長崎、神戸などの西日本で大流行して以来、絶えてなかったデング熱が今年になって突如出現し話題となっている。 9月4日時点で国内感染者は東京、大阪など11都道府県の55人になったと厚労省が発表した。 70年前の流行は東南アジアの戦地で感染した帰還兵が持ち込んだのが原因とされたが、今回の発症者に海外渡航歴はなく、東京・代々木公園とその周辺地域に立ち寄った人に限られているという。 デング熱は主にヒトスジシマカという「やぶ蚊」によって媒介されるが、地球温暖化に伴って近年ヒトスジシマカの北上が始まり、日本のみならずヨーロッパでも生息範囲が広がりつつあり、本来は東南アジアや中南米などの熱帯や亜熱帯地方の感染症であるデング熱が温帯地方へ感染域を拡大しつつあるようだ。

 報道によると、東京都が代々木公園で採取した複数の蚊から遺伝子検査にて今朝(9月4日朝)、デング熱ウイルスが検出されたという。 これをうけて東京都は同公園を、本日午後2時から封鎖した。

 ウイルスをもった蚊に刺されて感染し発症すると、感染の3~14日後に突然発熱し、頭痛、目の奥の痛み、筋肉痛、関節痛、はしか様の発疹などを来すのがデング熱である。 大部分は軽症で済むが、2回目以降の感染では全身の出血を伴って重症化することがあり、死亡することもあるとされる。 エボラ熱と異なり人から人への感染はなく死亡率も低い。 感染しても8割は無症状とされ、国内感染者数は氷山の一角かもしれない。 現在、有効なワクチンや治療薬はなく、治療は対症療法のみである。

 予防には、水溜りをなくし蚊を撲滅すると同時に、網目仕様の蚊防止着衣などで蚊に刺されない工夫が必要である。 グッピーを水中に放つと、蚊の幼虫を食べるので蚊を減らすのに有効だという。 ただウイルスをもった蚊が日本で越冬することはない。 でも後1~2か月は外へ出ると蚊との戦いが続くことになる。

 この夏は雨が多く、蚊も多いので畑や山野、家の周りでは蚊に刺されないよう万全の自衛策を心がけたい。

  一つ蚊を叩きあぐみて明け易き       笹沢美明
  兇状旅で薮蚊は縞の股引よ         島 将五
  風知ってうごく蚊帳吊りぐさばかり     大野林火

 
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プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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