成人年齢が20歳から18歳へ

 連休中に気になったニュースの一つに、警察庁が飲酒と喫煙の許可年齢を18歳に引き下げるべきかどうか、について国民の意識調査を実施するというのがあった。これは世界の多くの民主国家が国家の構成員として選挙権を与える法律上の成人年齢を18歳としている現状に鑑み、政府が我が国の成人年齢を現在の20歳から18歳に引き下げる議論を開始したことに伴うものである。 我が国の成人年齢は明治9年に20歳と定められ、選挙権年齢は昭和20年に25歳から20歳に引き下げられて現在に至っている。

 選挙権年齢の世界の趨勢は18歳であり、G8では日本を除くすべての国で18歳、OECD加盟30カ国では日本と韓国(19歳)を除くすべての国が18歳までに選挙権を付与している。少子化が進む日本では若い人の意見を積極的に取り入れ国政に反映させる必要があり、選挙権年齢の引き下げは喫緊の課題と言ってよい。

 成人年齢の引き下げに伴って飲酒と喫煙の許可年齢を18歳まで引き下げるべきかどうかについては大いに問題である。

 飲酒可能年齢は国や同じ国でも地域によって違ったり、アルコール度数によって制限が変わる国もある。ドイツ、イタリア、スペインなどでは16歳、英国、フランス、スウェーデン、ノルウェーなどでは18歳、韓国では19歳、日本では20歳、米国では21歳である。アルコール依存症の人や愛飲家に慢性膵炎、肝硬変、大腸癌が好発することはよく知られた事実であり、また例年新学期の始まる頃に新入学生が一気飲みなどの大量飲酒で救急搬送されて時に死亡例もあることなどから飲酒年可能齢を成人年齢に合わせて引き下げる案には賛成できない。

 喫煙許可年齢は英国、ドイツ、イタリア、スペインなどでは16歳、米国、スウェーデン、ノルウェー、タイなどでは18歳、韓国で19歳、日本で20歳である。タバコの煙にはタバコ三悪と呼ばれるニコチン、タール、一酸化炭素が含まれ、タールはベンツピレンをはじめ40種類以上の発癌物質を含む。ニコチンにはアルコールと同様に依存性があり、若年期の喫煙は中毒症に陥り易い。 「健康日本21」は特に若年者の喫煙をゼロにするという大きな目標を掲げてスタートしている。 肺がんをはじめ喫煙関連疾患は多く、「今こそ禁煙」が叫ばれるときに、成人年齢が引き下げられるからといって喫煙許可年齢を引き下げることには同意できないものがある。
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中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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