小学生の入浴は週2~3回で十分

 ヒトの皮膚の表面には多くの細菌が常在しており、これによって免疫機能が強化され、各種病原体に対する免疫を獲得して、感染しても発症しにくい体づくりに役立っている。 液体ボディソープや石鹼で頻繁に体を洗うと、皮膚は乾燥し、皮膚のバリア機能が失われ細菌の攻撃を受けやすくなる。

 皮膚のバリア機能とは、表皮内の角質層にある水分の蒸発を防ぎ、外界からの細菌やアレルゲンなどの異物の侵入を防ぐ役割のことである。 表皮内の角層には、皮脂、天然保湿因子(尿素、アミノ酸など)、角質細胞間脂質(セラミド、脂肪酸など)の3つの重要因子が存在し、共同して皮膚の潤いを保っている。 過度に洗浄すると、最外層の皮脂が取り除かれて皮膚が乾燥し、バリア機能が障害され、同時に物理的または化学的刺激により痒みの神経線維が活性化され、表皮内へ伸びてくるため、痒みが発生しやすくなる。 

 さて、米国皮膚科学会(AAD)が今秋公表したところによると、6~11歳の小学生は一般的に、週に2~3回の入浴でよく、洗髪もこの年齢では一般的に週1~2回で十分だという。 ただ大量の汗をかいたり、泥遊び、プールや海水浴などの後では、随時入浴が勧められるとしているので心しておきたい。 12歳前後の思春期以降は、毎日入浴が望まれ、洗顔も朝晩毎日すべきとしている。 ただし高齢になるほど皮膚は乾燥するので、洗いすぎには注意し保湿に心がけるべきである。 「老化とは乾燥の過程である」という名言がある。 乾燥は皮膚に表れやすいのだ。 湿疹や皮膚炎、乾燥肌など皮膚の病気を認める場合は、皮膚科医に相談したうえで入浴頻度を判断すべきは当然である。

温泉に映る満月手ですくい   内田幸太
名月を両手に掬う露天風呂  池口淳子
降る雪にネオンが滲む外湯かな  山田たき子
からからと初湯の桶をならしつつ  高浜虚子

筑波山紅葉
筑波山の秋 (2016年11月7日 撮影)

筑波山千両
筑波山の千両:白雲橋コース沿いにて (2016.11.7 撮影)

スポンサーサイト

男女平等ランキングで111位の日本

 久しぶりに先週末、夫婦で日本百名山の一つ筑波山へ登山してきた。 筑波大学の大学祭(雙峰祭)を楽しんだ後、筑波山温泉で一泊し登山となった。 筑波山は「東の富士、西の筑波」といわれる名山であり、男体山(なんたいさん)と女体山(にょたいさん)の双峰からなる。 巨岩や巨石が多くて見どころは各所にあるが、その登山道は狭いところが多く、白雲橋コースを中心に大きな石や岩の連続で足の踏み場を選ぶのに苦労するほどの難所も多く、距離のわりに脚力を必要とする登山であった。

 さて、世界経済フォーラム(WEF)が、今秋発表した世界の男女平等度ランキングで、日本は過去最低の111位となり、G7中で最下位となった。 これは政治、経済、教育、健康と生存率の4つの分野における女性の進出と地位を「ジェンダー・ギャップ指数」として総合評価したもので、日本は前年よりも10も下がっている。

 日本は教育や健康で順位を上げたが、経済で118位と12も下げ、項目別では所得格差が75位から100位に急落した。 第1位はアイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位スウェーデンと、政治家の報酬が極端に低いことで知られ、政治への女性進出が目立つ北欧諸国が上位を占めている。 主要国では、ドイツ13位、フランス17位、英国20位、カナダ35位、米国45位、オーストラリア46位、イタリア50位、ロシア75位、中国99位、韓国116位となっている。

 世界全体の傾向として、教育や健康の分野では男女の格差が縮小しているものの、特に経済では改善の度合いが鈍っていると指摘されている。 このままのペースで推移すると想定した場合、男女が経済的に平等になるのに170年かかるというから、ジェンダーギャップは馬鹿にならない問題である。

後ろより鈴の音高し登山女子   中島澄夫
焼印の濃きを選びて登山杖   片山由美子
雲よりも草のやさしき登山口   楠本信子
我が一歩君が一歩や登山靴  今井千鶴子

筑波山登山道
筑波山登山道 (2016.11.7 撮影) 

弁慶7戻
弁慶の七戻りの石 (筑波山にて:2016.11.7 撮影)


食毛症とラプンツェル症候群

 ラプンツェル(Rapunzel)は聞きなれない言葉であるが、グリム童話に出てくる長く美しい髪を持った少女の名前である。 魔女により12~20歳まで、高い塔に閉じ込められて誰にも会うことを許されなかったため、自分の美しい驚くほど長い髪を外へ垂らし、それを梯子代わりにして登ってきた王子と結ばれるヒロインである。 

 自分の髪の毛を抜いて食べる病気を食毛症というが、4本や5本を抜いて食べても特に問題はない。 しかしこの行為を続けて行うと、胃や腸で毛玉(毛髪胃石)や蛇状の髪の束ができて、胃や腸を閉塞し、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、体重減少、便秘、腸閉塞、胃潰瘍、吐血などをきたすことになる。 重症例で診断が遅れると死に至ることもある。 人間は髪の毛を消化することができないのが問題である。 食毛症で閉塞症状をきたしたものをラプンツェル症候群とよび、食毛症の約1/3を占める。 治療では外科的に髪の毛の塊を摘出する必要がある。

 異食症でティッシュウなど紙を食べる行為は、高齢の認知症患者でしばしばみられるが、食毛症は中年以下の若い女性に多く見られ、20歳以下の女性が約40%を占める。 自分の毛髪を抜かないと落ち着かず、抜いて食べると安心するためやめることができないとされる。 認知行動療法が必要であることは言うまでもない。

東風吹くや耳現るるうなゐ髪  杉田久女
五十なほ待つ心あり髪洗ふ  大石悦子
あち東風や面々さばき柳髪  松尾芭蕉

H28愛知牧場
咲き競うコスモス 愛知牧場(日進市米野木町南山)にて (2016.10.24撮影)

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR