ダニ媒介脳炎

 職場の老健では、毎年夏にお盆の次の週末の1日を選んで、夏祭りを行う。 町のボランティアの踊りグループや近隣の住民、入所関係者も加わり、屋台を作って笛に太鼓で踊ったり食べたり抽選やらで賑わう。 周りには露店や出店も出て大いに盛り上がるのはよいが、主催者側は万一の事故に備えて気を使うので無事終了するとホッと一息となる。

 さて、フレボウイルス属に属するSFTSウイルスを持ったマダニに咬まれて発症する「ダニ媒介脳炎」が、23年ぶりに北海道で確認されたと厚労省が発表した。 患者は北海道在住の40歳代の男性で、7月中旬にマダニに咬まれ、けいれんと意識障害をきたし脳炎、髄膜炎の症状が出て、入院治療するも今月(8月13日)に入って死亡したという。 

 フレボウイルスを持ったマダニに刺されると、「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)を発症することが多く、西日本を中心に20府県から200人以上の患者が届けられている。 ダニの繁殖期である5~8月の発症例が多い。フレボウイルス感染後7~14日は症状がなく、その後、発熱、悪心・嘔吐、腹痛、頭痛、筋肉痛などの症状からけいれん、意識障害などの神経症状や、リンパ節の腫脹、皮下出血、下血などの症状をきたすとされる。 脳炎や髄膜炎を起こすと、当然ながら死亡リスクは高くなる。 このウイルスはネズミとマダニの間を往来しているようだ。 

 高温多湿の夏は、ダニの天国である。 マダニは他のダニと比べて体が大きく、2~3mm大で肉眼で見える。 血を吸うと膨れ上がり、1cmを超える大きさになる。 野山や草藪の中に生息するので、木や草の多い場所に入るときは、露出の少ない長袖、長ズボンを着用することを心掛け、地面に転がるときには、敷物を敷いてからにするなどの注意を守りたいものだ。

御祭りや鬼ゆり姫ゆりはかたゆり  小林一茶
浴衣着て素肌もっとも目覚めけり  古賀まり子
腰痛をどうしたらかと生身魂  中島澄夫

山菜そば(高山)
名代手打ちそば:寿美久にて(飛騨高山)、2016年夏、撮影
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食塩感受性のリスク

 このところ連日連夜、リオ・オリンピックでの日本人の活躍がTV放映され、見始めるとつい引き込まれ、いけないなあと思いながらも夜更かしとなりやすい。 序盤では柔道での躍進が目立ち、今回の五輪では、まだ中盤とはいえ、日本人のメダル獲得数が多いように思う。 メダル獲得するごとに特別の感動がわいて、頭の良い刺激となるのはよい。

 さて歳をとると副腎、腎臓、心臓などに特別な病気がなくても高血圧になる人が増える。 一般に、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧と呼んでいるが、大部分の人は特別の病気を持っていない。 特別の病気を持っていない日本人の高血圧の約半分は、食塩感受性高血圧で、残りの半分は食塩非感受性高血圧とされている。 食塩感受性高血圧は、一般に食塩負荷後の減塩により、収縮期血圧が10mmHg以上、持続的に低下する場合をいう。

現在、食塩感受性を簡便に判定する標準化された検査法がなく、評価を容易にするバイオマーカー(血液、尿、DNAなど)の開発が急務となっている。

 最近、米国心臓協会(AHA)は、食塩感受性そのものが心血管疾患のリスクとなるので、食塩感受性を持った人は、たとえ「高血圧がなくても、食塩摂取を控えるべきである」という勧告を出した。 日頃から食塩摂取が過剰とならないよう、注意したいものである。

朝顔に見入れる人のうなじかな  林翔
あさがほや素顔同士の立ち話  山中谷勝子
うつつより覚めて八月十五日  大野鵠士

高山の朝顔H28
飛騨高山・さんまち通りのアサガオ(2016.7.23 撮影)

風里のブルーベリーH28
食べごろになったブルーベリー:開田高原にて(2016.7.30 撮影)

睡眠と健康

 夏は猛暑とダニの発生で寝苦しい夜となりやすい。 睡眠は食事と運動と併せて健康三原則の一つであり、活力ある生活を送るためには快眠を欠かせない。 この時期、冷房や扇風機、スチームアイロンを使ったダニ退治などを駆使して、快適な睡眠環境を整えたい。

 成人の至適睡眠時間は7時間で、個人差を入れて一般に6~8時間が良いとされる。 睡眠時間が短いと中高生は、うつ病になるリスクが高くなるとの調査結果が、国際科学誌のSleepに先日発表された。 東京大学や高知大学の共同研究チームが約16000人の中高生を調査したもので、男子は8時間半~9時間半の睡眠をとっていると、うつ病や不安症状のリスクが最も低く、女子では7時間半~8時間半で最もリスクが低かったとしている。 ただし女子の場合は、どの睡眠時間でも鬱や不安の症状を示す生徒が比較的多く、推奨時間を示すにはさらなる検討が必要だとしている。 いずれにしても中高生は大人には近いが、大人より多くの睡眠時間を必要としているようである。

 高齢になると不眠を訴えて睡眠薬の処方を希望する人が増える。 現在、広く使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は生命には安全だが、脳の予備軍神経細胞の活力を低下させ、認知予備能力を下げることにより認知症発症リスクを高めるとされる。 高齢になるほど認知症発症リスクが高くなる高齢者では、本当に必要なときを除き、睡眠薬の服用は避けたいのが本音である。 

 高齢者への睡眠薬の処方では、ω1受容体作動薬やメラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬など、ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは異なる作用機序をもった睡眠薬を使ったほうが無難といえる。

 睡眠の視点から認知症の発症や予防を見ると、30分以内の昼寝は認知症の発症を減らし、60分以上の昼寝は逆にその発症を促進するといわれる。 高齢になり昼間眠くなったら昼寝はよいが、長くなりすぎないよう工夫したいものだ。

雨晴れて忘れな草に仲直り  杉田久女
藍微塵遠き師の恋歌の恋  石原八束
遠き日も近くにありて藍微塵  春行士

勿忘草H28
川沿いに群生し満開の勿忘草(藍微塵):長野県木曽町・開田高原にて (2016.7.30 撮影)

開田高原のソバ畑
二期作のソバ畑・長野県木曽町開田高原にて(2016.7.29 撮影)

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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