メタボ健診の見直し

 メタボ健診(特定健康診査・特定保健指導)は、糖尿病や高血圧など様々な生活習慣病をもたらす元凶となるメタボリック症候群を早期に発見し、膨張する国の医療費を抑えるための重点施策の一つとして、平成20年4月1日からスタートした。 40~74歳の健康保険組合などの医療保険加入者は受診の義務があり、メタボリック症候群(予備軍を含む)と診断されると、保健師や管理栄養士より保健指導を受けることになる。

 メタボリック症候群は内臓脂肪症候群とも呼ばれて、腹囲(お腹の一番出ているところ)が男性85cm以上、女性90cm以上あるか、もしくは体格指数(BMI)が25以上という肥満があり、1)高血圧、2)高血糖、3)脂質異常症、のうち2つ以上該当する場合をいう。 2004年度実施の調査によると、中高年(40~74歳)日本人の男性約50%、女性約20%がメタボリック症候群(予備軍含む)だとされる。 また経済協力開発機構(OECD)は、成人肥満比率の国際比較(2013年までの最近年)を発表しており、米国35%、オーストラリア28%、英国25%、ドイツ24%、フランス15%、日本3.7%で、日本は先進国の中では低い。

 従来の健診では、腹囲が基準値以上であることが保健指導の前提であったが、やせていてもサルコペニア肥満や隠れ肥満で体脂肪率が25~30%以上を示す生活習慣病リスクの高い人が少なくなく、これらの人は指導対象から漏れていた。 近年実施された厚労省研究班の調査では、腹囲が正常範囲でも、3項目の1つ以上に異常があると、ない人に比べ脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが、男性1.9~2.2倍、女性2.1~2.5倍高いことが判明したという。 

 これらの結果を踏まえて、厚労省は従来のメタボ健診を見直し、2018年度より腹囲が基準値以下でも血圧、血糖、脂質のいずれかのリスクファクターに異常があれば、保健指導の対象とする方針を決め、今月発表した。 肥満よりリスクファクター重視への方針転換である。 食事、運動、および睡眠の健康三原則を改めて肝に銘じたいものだ。

カラス鳴く熟れしトマトはやらぬぞよ  中島澄夫
くちづけのあとの真っ赤なトマト切る 大嵩翔
初茄子とらずにおいて盗まれし  小林一茶
雨あとの土息づくや茄子の花  松本一枝

ミニトマト
色づき始めた我が家のミニトマト (2016年5月28日 撮影)

初茄子
採れるばかりになった今年一番の初ナス:背景は満開のカモミール、我が家の畑にて (2016年5月28日 撮影)
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双子の父親が異なることも

 めったに起きないことが起こるのが世の常という。 インドの医療施設で、最近72歳の女性が体外受精で第1子の男児を初産し話題となっている。 妊娠し無事に出産した女性としては世界最高齢だという。 だが、インドでは出生証明書がないので、自身の正確な年齢を知らない人が多いらしい。 英国では、2009年に66歳の女性が出産に成功している。 「意志あるところに道あり」で、チャレンジすれば不可能が可能になる時代である。

 次には、最近のベトナムで起きた話である。 生まれた双子が2歳になり、1人は髪の毛が多くて、縮れ毛なのに対し、もう1人は髪の毛が少なく薄くてストレイトであり、顔も似ていないので、DNA鑑定をしたところ、父親が別々の男性だったことが明らかになったという。

 米国では、昨年ニュージャージー州で、双子を生んだ母親が相手の男性に対し双子の養育費用を請求した訴訟があり、裁判所が双子のDNA鑑定を実施したところ、この男性は双子の一方だけの父親であることが判明し、裁判所は男性に対し、1人分の養育費を支払うよう命じたという。  

 女性の卵子の寿命は2日以内、男性の精子の寿命は10日間であり、本来は1か月に1個だけの排卵が2個あり、排卵前後の1週間ほどの間に複数の男性と性交渉をもつと、父親の違う双子が生まれる可能性がでてくることになる。

 英語のことわざに、「 Miracles happen to those who believe in them. 」(奇跡はそれを信じる人に起きる)というのがある。 信じる心があれば、奇跡を起こせる時代に我々は生きているようだ。 

芍薬の蕾のどれも明日ひらく  海野良子
芍薬のつんと咲けり弾宗寺  小林一茶
嫁やさし芍薬剪りに庭へゆく  大場白水郎

芍薬H28
我が家の庭で咲いた芍薬(2016年5月19日 撮影)

高齢者に増える慢性便秘

 便秘とは、一般にそれまでほぼ毎日1~2回あった排便の回数が減少し、回数が1週間に2回以下の状態となり、3か月以上続く場合をいう。 加齢とともに直腸が大きくなり、その容量が増えるとともに、内圧上昇に対する直腸肛門反射の感度が鈍くなってしまうことや、身体活動の減少と常用薬剤(制酸薬、抗コリン薬、降圧薬、抗うつ薬など)の作用で大腸運動が低下する、などのため高齢になるのつれ慢性便秘になる人が増える。 米国では、60歳以上の3分の1が慢性便秘を経験しているとされ、日本でも私が勤務する老健施設の入所者の多くは慢性便秘を呈し、何らかの対策を必要とする人が多い。 

 このような流れの中で、米国消化器学会(AGA)は便秘管理の支援に向けて、「クリニックの受診や投薬なしで便秘を解消する5つのヒント」として、次の5項目を挙げ公表している。

 1. 全粒穀物、果物、野菜など食物繊維の多い食品を摂取する。
 2. 速足で歩く、自転車に乗る、芝生を刈る、など中等度の運動を実践する。 週に最低2時間30分の運動を心がける。
 3. 水分を多くとる。 女性は1日最低9杯、男性は最低13杯。
 4. 便意は食後に起こりやすいので、食後の排便時間を確保する。
 5. 便意を我慢しない。

 いずれも便秘解消に向けて、先ず自らやってみるべき有用な助言である。 経口摂取で便秘改善に役立つものに、プルーンアボカドがあり、腸内で保水性が高い粉寒天を汁物などに入れて食べるのも役立つ。 就寝前の牛乳1杯が役立つ場合も少なくない。

 水の飲み方にも一工夫する必要がある。 食事を普通に食べれている人の場合は、3回の食事で約1リットルの水が含まれているので、飲み水として1日1~2リットルを、ティーカップ1杯程度でこまめに(1~2時間ごと)、とるのがよい。 1度に大量の水を飲むと、低ナトリウム血症を起こし、意識障害や脳浮腫、筋肉けいれんを起こすことがある。 「適量をこまめに」飲水するのがコツである。 

 最後に尿意は我慢してもよいが、便意を我慢するのはよくないことを意識して生活したいものである。 

鯉のぼり泳いで泳いでまた泳ぐ  中島澄夫
この顔を五月の風にあづけけり  三吉みどり
江戸住や二階の窓の初のぼり  小林一茶
あいまいな空に不満の五月かな  中澤敬子

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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