がんの早期発見

 平成27年度は、まだ3か月弱残っているが、厚労省は元旦付で、「平成27年度(2015年度)人口動態統計の年間推計」を公表し、今年度の疾患別死亡数は、第1位ががん、2位が心疾患、3位が肺炎、4位が脳血管疾患の順に多いことを明らかにした。 上位4疾患の順位は2013年以来同じだが、超高齢社会を反映し、前年度の比べがん肺炎による死亡数が増え、心疾患は横ばい、脳血管疾患による死亡数は減っている。 高齢者における免疫能低下への対策強化が今後の大きな課題になると思われる。

 ヒトの細胞数は約37兆個とも60兆個ともいわれるが、正常な細胞は遺伝子異常で、常日頃一部ががん細胞となる。 がん細胞は生体にとって異物であり、生体はNK細胞や樹状細胞の指令を受けたT細胞が、がん細胞を攻撃し排除するという免疫能を備えている。 一方、がん細胞も生き残りをかけて、表面のがん抗原を隠したり、免疫がうまく働かなくなるようなPD-L1などの物質を放出して、免疫力を抑え込む作戦に出るため、その攻防次第で発癌し、高齢で免疫能が低下すると、発癌は増えることになる。

 日本では年間約40万人ががんで死亡しているが、がん検診受診率は約40%で、高くない現状がある。 これは検診に時間をとられ、面倒だからという理由が大きい。 もっと手軽にできる早期発見法の開発が急務といえるわけだ。 

 茨城県つくば市にある国立研究開発法人は、最近、ヒトのはく息で呼気中の匂い物質を分析し、各種がんや腎臓病、肝臓病、糖尿病などを早期発見する数ミリサイズの小型センサーを開発したと発表した。 6年後の2022年に実用化を目指すという。 この小型センサーをスマートフォンやPCに搭載すれば個人的に利用できる可能性もあり、がんの早期発見への道を開く突破口となることが期待される。

生きねばと鳥とて雪を払い立つ  村越化石
木のベッド匂ひて雪の降りはじむ  井越芳子
花の中影なかりけり福寿草  高田正子

ダイアモンドスキー場
志賀高原・ダイアモンドスキー場 (2015年12月31日 撮影)

 
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インフルエンザ流行の遅れ

 今シーズンはインフルエンザ(A型、B型、C型)の全国的な流行が大幅に遅れており、喜ばしい限りである。 できれば、この1年、インフルエンザや感冒とは無縁で過ごしたいものだ。 例年は12月に流行期入りするのがふつうであるが、今月7日にあった厚労省の発表でも、インフルエンザ患者数は流行入りの目安に達しておらず、現状では流行入りとはなっていない。 流行が年越しするのは2006年以来で、何と9年ぶりだという。 

 7日発表の資料によると、全国約5000の定点医療機関からの昨年12月21~27日における患者報告数は3734人で、1医療機関当たり0.76人で、前週の0.46人より増えているものの、流行入りの目安となる1人を下回っている。 ただ地域的には流行入りとなっているところもあるので、今後の情報には注意したい。

 一般にインフルエンザは寒さが厳しくなり、湿度が下がり空気が乾燥する12月に流行期入りするが、昨年暮れは暖冬で11月から12月にかけ全国的に高温多雨が続き、一円玉天気(くずしようがないほど安定した晴天)も多く、ウイルスが活気づくチャンスを失ったようだ。 

 ただ過去には流行期入りが遅れても、その後急増したシーズンも記録されており、手洗い、うがい、マスクの着用、ワクチン注射など、感染予防対策には気を抜かずに過ごしたい。


寒知らず蠟梅一気に咲き初めり   中島澄夫
蠟梅の香が勝っており初稽古   佐々木六才
蠟梅の咲いてゐる煤の宿   百合山羽公
  

蝋梅H28.1
初詣への道脇に咲く蝋梅 (2016年1月3日 撮影)

初春に想う

 明けましておめでとうございます。 

 「1年の計は元旦にあり」という。 人が生きるには、やはり「元気が一番」である。 元気であるためには、人が良い状態にあること、つまり「Well-being」を維持することであり、そのためには日頃から自らの心身を鍛える努力を怠ってはならないと思う。 成人は加齢とともに老化するので、食事、運動、睡眠の三つの健康習慣を自分なりに上手に取り込んで、まずは身体を可能な限りよい状態に保ちたいものだ。 心をよい状態に維持する因子としては、1)やってみよう因子(積極と成長)、2)ありがとう因子(連携と感謝)、3)なんとかなる因子(前進と楽観)、の3つの因子があり、これらをいつも心に留めて生きていきたいものだ。

 年末年始の休暇は、例年家族スキーを楽しめるので好きである。 今年も志賀高原で丸3日間スキーを満喫した。 暖冬で雪が少なく心配であったが、到着日の1~2日前に降雪があり、ほぼ全ゲレンデで滑走可能となったのはよかった。 新春の2~3日には大学対抗の箱根駅伝を楽しんだ。 駅伝には毎回多くのドラマがあって面白い。 3日には、自宅から7kmほど離れた針名神社へ夫婦で歩いて初詣に出かけた。 礼拝してお神酒をいただき、おみくじを引くと私は吉、妻は大吉とでた。 新しい年の船出としては悪くないようだ。 

 このお正月、をのどに詰まらせ窒息する事故が相次ぎ、東京都内だけで元日から3日にかけ男女18人が救急搬送され、うち2人が死亡したという。 人間、齢をとると顎を使って咬む力が衰え、キザミ食や手キザミ食でないと食べれなくなる人が増える。 咬む力はワニが地球上で最強とされる。 人間の咬む力は、大型のゴキブリの1/5で、結構弱いのだ。 ゴキブリは必要があれば木材のような硬いものをかみ砕けるという。 お餅は高齢者にとって最も窒息を起こしやすい食物の一つである。 体外では50~60°Cで柔らかく伸びやすいが、口の中では温度が低下し粘っこく硬くなるので、食べる人の咀嚼能力に応じて、一口で食べれる大きさに切り、普通の食事以上に多く咬む必要がある。 

 餅が気管を塞ぎ声が出せず、顔色が真青になった時には、119番通報をするとともに、直ちに気道内餅の除去を開始すべきである。 とるべき方法として、1)背部叩打法として、頭を低くして背中をたたく、2)口をのぞき、指で取れるようなら指でかき出す、3)上腹部圧迫法(ハイムリック法)として、患者の後ろに回り、両手で上腹部を圧迫する、などがある。 ただし、上腹部圧迫法は、乳児では内臓損傷のリスクがあるので行わない。 また意識がない場合には、躊躇なく心肺蘇生法を行う必要がある。 
 

初滑り孫に越さるる急斜面  中島澄夫
三世代シュプール揃へ初滑り  中島 葵
初春へ一歩踏み出すあしたかな  水原春郎

一の瀬1
志賀高原・一の瀬スキー場:ファミリー メインゲレンデ (2015.12.30 撮影)

H28焼額山頂
志賀高原:焼額山スキー場・山頂付近にて (2015.12・31 撮影)

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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