スマホ首の増加

 畑の完熟トマトやキウリの収穫が本格的となり、ナス、ピーマン、シシトウ、オクラなども遅れじと採れ始め、梅雨時の食卓が賑やかとなってきた。 我が家の厨窓の外側に張り巡らせようと植え込んだグリーンカーテン用のマンデビラも一番花を咲かせ、ツルの伸びも本格化してきた。

 さてこの頃は、電車に乗っても町中を歩いてもスマートフォンを熱心に操る若い人たちを見かけることが多い。 ゲームやメールで夢中になると、周りも見えず、延々と続き事故にもつながりかねないので、取り出す場所や時間には自制が必要である。

 近年、スマホを長時間操作することや、椅子に座って同じ姿勢を保ち長時間パソコンを扱うなどで、うつむいた姿勢を長く保つことが原因で、「首のコリや肩こり、背中の張り」を起こす人が増えており、首の不調を「スマホ首」と総称して、新たな国民病となることが懸念されている。 頭を首の筋肉だけで支える状態を、自ら作っていることが問題である。

 成人の頭の重さは平均約5kg(4~6kg)あり、首の骨(頸椎)を含む背骨と、首や肩、背中の筋肉がこの重さを支えている。 ケネス・ハンスラージ(Kenneth K Hansraj:米国脊椎外科医)の成人をモデルにした解析によると、首が前に傾くほど頸椎にかかる負荷は増え、首の曲がる角度が0度で5kg、15度で12kg、30度で18kg、45度で22kg、60度で27kgの負荷になったという。 27kgは8歳児童の平均体重に相当するというから、姿勢が悪いと首には大変な負荷になることがわかる。 

 スマホ首は慢性化すると首の痛みのみならず、めまい、耳鳴り、イライラ、不眠などを起こしやすく、更に頸椎の形態異常として、頸椎が変形する「頚椎症」や椎間板が後方へ脱出する「椎間板ヘルニア」を起こすことがあり、両疾患は近年世界的に増えているとされる。 総務省研究班による調査によると、日本人がスマホを操作する平均時間は1日約47分だという。

 スマホ使用中はできるだけ頭が前方へ下がらないよう注意し、首周りの筋肉への負担を軽くするよう心掛けるとともに、自分で使用時間を制限し、適時ストレッチ筋トレを取り入れ、スマホ首の予防に努めたいものだ。

妻留守の完熟トマト真二つに  山中正己
茄子もぐは楽しからずや余所の妻  星野立子
還暦を過ぎし勤めや茄子汁  前川富士子

マンデビラ:アリスデライト
マンデビラ:アリスデライトの一番花(2015年6月14日 撮影)
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ツバメの難行苦行

 私が勤務する老人保健施設 和合の里の正面玄関付近の軒下には、毎年春になるとツバメがいくつか巣をつくり子育てをする。 今年は最初に作られたツバメの巣がスズメに壊され、困ったツバメは別のところに巣をつくり、今はじっと巣にこもり卵を抱いている日々である。 元気な雛が顔を出す日も遠くはない。 スズメがツバメの巣を壊すのは初めて見たが、決して珍しいことではないらしい。 スズメはツバメに比べて極端に不器用で、巣作りが下手なため、うらやましくなってちょっかいを出してツバメの巣を壊すが、ツバメの巣を利用することはないようだ。

 一般にツバメは人家や店舗の軒下の壁など人の出入りの多い場所に巣を作るが、スズメは人を嫌うので、人目のつきにくい屋根の瓦の隙間などに巣を作る。 だが近年、屋根に隙間が少なくなり、スズメの繁殖に適した場所が減り、スズメにとっては逆境である。

 ツバメは古来より果菜類の害虫やシロアリを餌にする益鳥として人間に親しまれ珍重、大事にされてきた歴史がある一方で、スズメは農作物を荒らす害鳥として追われる立場にあったため、人間が接近すると一目散に逃げ、人目を避ける習性をもつ。 

 ツバメが人間の近くに営巣するのは、人を信頼してガードマン代わりに利用し、カラスやスズメ、ネコ、ヘビなどの天敵から大事な卵や雛を守ることができるためであると考えれば納得できる。

 千葉県にある山階鳥類研究所が全国のツバメの巣を調べた結果、13都県の巣から福島第一原発事故で放出された放射性セシウム(半減期:約30年)が検出されたと、先日公表された。 北は宮城県、山形県、南は静岡県まで広範囲に及ぶ。 セシウムの平均濃度(ベクレル/kg)は、福島県で7500、千葉県で3200、静岡県で350であった。 ツバメの巣はその地域の土やわらで作られており、セシウムが広範囲の土壌を汚染していることの証である。  ツバメは口で土を運ぶので、ツバメの生態への影響が懸念される。 繁殖状況などへの影響が、今後大きくないことを祈りたいものである。

初燕一筆書きで巣にもどる   岡田芳べえ
軒燕ジッと巣の中動きなし   中島澄夫
店じまひしたる米屋の燕の巣  塩谷康子

 庭のアジサイ
梅雨入りの我が家の庭を彩るアジサイ(2015年6月7日撮影)

豚肉とE型肝炎

 梅雨の月、水無月に入った。 水無月の「無」は、「の」に当たる連体助詞で「水の月」という意味だというから納得である。 今日は久しぶりの恵みの雨となり、キュウリやナスなど水を好む夏野菜は一息ついているようだ。 インドでは1年で最も暑い時期を迎え、ここ数週間続く40℃を上回る熱波で死者が2000人を超えたというから並ではない。 日本でも総務省消防庁によると、5月25日~31日の1週間で熱中症のため救急搬送された人は全国で1196人に達し、このうち搬送時の死亡例が1例あったという。

 夏日が増えると食中毒に注意する季節入りでもある。 日本では現在、食品衛生法により飲食店での牛の生レバー提供は禁止されているが、代用品として豚の生レバーを提供する店が増えているという。 豚のレバーや肉にはE型肝炎ウイルスが含まれていることがあり、日本ではこの数年、豚の生レバーや生肉を食べてE型肝炎を発症する人が増えている。 昨年の罹患者数は146人と過去最多を記録し、4年前の約3倍となっている。

 経口感染する肝炎ウイルスにはA型とE型の2種類があり、いずれも感染は一過性で慢性化することはないが、劇症化すると死亡することがある。 E型肝炎の致死率はA型肝炎の約10倍とされ、妊婦では20%に達するとされる。 感染すると、平均6週間の潜伏期を経て発症し、発熱、食欲不振、嘔吐、腹痛、黄疸などの症状がでる。 A型は生カキや生の魚介類、E型は豚の生レバー、生肉、猪の生レバー、野生の生シカ肉を食べて感染することが多い。

 厚労省は食品衛生法を改正し、本年6月中旬から飲食店などでの豚の生レバーや生肉の提供を禁止することを決め、先月27日発表した。 小売店が生食用として販売することも禁止となる。 違反すると2年以下の懲役か200万円以下の罰金という刑事罰が科されるというから注意が必要だ。 

 豚肉を食べる時は、中心部を75℃で1分以上加熱する必要があることを肝に銘じたいものだ。

瓜もみの加減も馴れて大暑かな   中村汀女
水無月や鯛はあれども塩鯨    松尾芭蕉
螢光に男の唇の照らさるる     折井眞琴

H27ミニトマト
色付き始めた我が家のミニトマト (2015年5月31日 撮影)

H27大玉トマト
成長しつつある我が家の大玉トマト (2015年5月31日 撮影)

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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