空き家の増加

 夕食を済ませて一休みしてから、約1時間のウォーキングを日課として久しい。 交通の少ない住宅街をほぼコースを決めて歩くのだが、近年一見して誰も住んでいそうもない空き家が目立つようになった。 垣根や庭木が伸び放題で、電線に接するほどまでになり、景観上はおろか危険を感じるほどの家もある。 

 総務省の平成25年(2013年)の住宅・土地統計調査速報集計によると、日本の空き家数は820万戸で、5年前より63万戸増えている。 総住宅数に占める空き家率は13.5%で、5年前に比べ0.4%上昇し、過去最高となっている。 およそ7軒に1軒が空き家になる計算である。 別荘などの二次的住宅を除く空き家率は12.8%である。 大半は「親の住まない実家」を子が放置した結果、空き家になるケースのようだ。

 都道府県別では、二次的住宅を除く空き家率が最も高いのは山梨県で17.2%、次いで2位以下は愛媛県(16.9%)、高知県(16.8%)、徳島県(16.6%)、香川県(16.6%)と四国4県が続く。 長野県(14.6%)16位、北海道(13.7%)24位、愛知県12.0%)38位、東京都(10.9%)42位である。 

 少子高齢多死社会となり、人口減少に伴って住む人がいない空き家が全国的に増えているのだ。 資源の無駄であり、手順を踏んだうえで、有効利用の方法を探るべきである。 まずは市町村単位で空き家に関する情報バンクなどを設置し、空き家の管理や活用などの取り組みをもっと積極的に進め空き家対策を強化すべき時であるように思う。 不動産の適正管理に関する国の支援策も必要であろう。

 天高し空き家一軒垣根藪        中島澄夫
 リヤカーにつきゆく子等や花芒     星野立子
 闇に鳴く虫に気づかれまいとゆく   酒井弘司  
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便移植への期待

 大便は汚いものとして今では捨てられる運命にあるが、我々が子供のころには戦中戦後で化学肥料も不足し、農業用肥料として使われていたものだ。 最近になり、便が難治性の病気の治療材料となる可能性が高まり、難病患者への「便移植」として注目されつつある。

 今年8月にシカゴで開催されたアメリカ消化器学会では、「便移植」(FMT:fecal microbiota transplantation)が、メインテーマの一つであった。 これは健康な人の便中にある腸内微生物(善玉菌)を難治性の腸疾患患者へ移植する治療法である。

 便移植はすでに再発性のC.difficile感染症への有効性が証明されており、難治性の過敏性腸症候群の約70%に症状の消失または改善があったとする報告もある。 便は不潔だとする先入観が、研究の進展を阻害する要因ではあるが、無用の便が命を救う手段となるなら、その意義は大きいものがある。

 便移植の炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病などに対する有効性が検証されつつあり、今後の研究の発展が大いに期待されるところだ。

 秋めくや救急車の音遠ざけり      中島澄夫
 初秋や軽き病に買い薬          高浜虚子
 秋澄むやステップ高き検診車      吉村玲子

地球温暖化とデング熱

 日本では約70年前(1942~1945年)に長崎、神戸などの西日本で大流行して以来、絶えてなかったデング熱が今年になって突如出現し話題となっている。 9月4日時点で国内感染者は東京、大阪など11都道府県の55人になったと厚労省が発表した。 70年前の流行は東南アジアの戦地で感染した帰還兵が持ち込んだのが原因とされたが、今回の発症者に海外渡航歴はなく、東京・代々木公園とその周辺地域に立ち寄った人に限られているという。 デング熱は主にヒトスジシマカという「やぶ蚊」によって媒介されるが、地球温暖化に伴って近年ヒトスジシマカの北上が始まり、日本のみならずヨーロッパでも生息範囲が広がりつつあり、本来は東南アジアや中南米などの熱帯や亜熱帯地方の感染症であるデング熱が温帯地方へ感染域を拡大しつつあるようだ。

 報道によると、東京都が代々木公園で採取した複数の蚊から遺伝子検査にて今朝(9月4日朝)、デング熱ウイルスが検出されたという。 これをうけて東京都は同公園を、本日午後2時から封鎖した。

 ウイルスをもった蚊に刺されて感染し発症すると、感染の3~14日後に突然発熱し、頭痛、目の奥の痛み、筋肉痛、関節痛、はしか様の発疹などを来すのがデング熱である。 大部分は軽症で済むが、2回目以降の感染では全身の出血を伴って重症化することがあり、死亡することもあるとされる。 エボラ熱と異なり人から人への感染はなく死亡率も低い。 感染しても8割は無症状とされ、国内感染者数は氷山の一角かもしれない。 現在、有効なワクチンや治療薬はなく、治療は対症療法のみである。

 予防には、水溜りをなくし蚊を撲滅すると同時に、網目仕様の蚊防止着衣などで蚊に刺されない工夫が必要である。 グッピーを水中に放つと、蚊の幼虫を食べるので蚊を減らすのに有効だという。 ただウイルスをもった蚊が日本で越冬することはない。 でも後1~2か月は外へ出ると蚊との戦いが続くことになる。

 この夏は雨が多く、蚊も多いので畑や山野、家の周りでは蚊に刺されないよう万全の自衛策を心がけたい。

  一つ蚊を叩きあぐみて明け易き       笹沢美明
  兇状旅で薮蚊は縞の股引よ         島 将五
  風知ってうごく蚊帳吊りぐさばかり     大野林火

 

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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