野菜の相性

 人間には何となく馬が合う人と会わない人がいる。 野菜にも人と同じように相性があり、近くに植えて一緒に育てると、害虫の被害が減ったり、成長が良くなったりするものがある。 お互いに助け合い、成長に良い影響を与え合う野菜やハーブは、「コンパニオン プランツ(conpanion plants)」と呼ばれ、1)有益な昆虫を引き寄せ、受粉を助ける、2)必要な栄養素を与え、成長を促進する、3)味、風味をよくする、4)連作障害を軽減する、5)病虫害を予防する、など混植するとより良い効果が得られるので、共栄植物とか共栄作物とも呼ばれる。 この共栄栽培(conpanion planting)を上手に利用すれば、限られた土地でも作物の生産性を上げることができるので、これは小さな農業革命ともいえる。

 例えば、トマトはタマネギ、ニンニク、バジル、ラッカセイ、アスパラ、ブロッコリー、オクラ、セロリーなどと相性が良く、青枯れ病や立ち枯れ病になりにくくなる。 エンドウはニンジンやホウレンソウと相性が良く、ニンジンとタマネギも同様で、お互いに成長が良くなる。 一方、キュウリとゴーヤは相性が悪く、キュウリが苦くなる。 夏野菜のオクラは、トマト、サツマイモ、ピーマンと相性が良いようだ。 

 ハーブの一種で、リンゴのような芳香をもつことから「天地のリンゴ」とも呼ばれるカモミールは、「植物のお医者さん」とも言われ、アブラムシやモンシロチョウを駆除し、タマネギやアブラナ科の野菜であるキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーの生育を助け、風味をよくするとされている。 アブラムシのつきやすい植物の傍らにカモミールを植えると、アブラムシはカモミールにつき、植物の被害を防ぐことができるというので、私もこの春には畑のほぼ中央に、ジャーマンカモミールとローマンカモミールを各一株植えてみた。 前者は1~2年草、後者は多年草である。 今のところ今年の夏野菜はすべて順調に育っている(写真)。

 カモミールは「マザーハーブ」とも呼ばれ、ヨーロッパでは、カモミールティーとして、薬効に利用され、鎮静、不眠の改善、消炎、初期の感冒の改善、便秘解消、月経困難症の緩和、スキンケア、などに有効とされる。


  泣いてみた玉葱きってるせいにして         西堀恵子
  くちづけのあとの真っ赤なトマト切る         大高 翔
  万緑の端より摘みし薬味かな             凡茶

 5月24日のトマト
見事に成長する我が家のトマト(平成26年5月24日撮影): 6月中旬から下旬には収穫が始まる
スポンサーサイト

大気汚染都市のランキング

 世界的に都市部の大気汚染が深刻化している。 米航空宇宙局(NASA)は、2013年10月に大気汚染が原因で早死にする率の高い国が一目でわかる世界地図を作成し話題となった。 今はネットで世界におけるリアルタイムの大気質指数(AQI)を知ることもできる。 AQIはAir Quality Index の略で、空気質指数または大気汚染指数とも訳され、オゾン、PM10,PM2.5,二酸化窒素、二酸化硫黄、一酸化炭素のうち、4~6種類の大気汚染物質について、それぞれ指数を算出し、最も高い値をその地点のAQIとし、その値の物質を主要汚染物質とするものである。 指数50以下が望まれ、指数51~100では、長期間の暴露で疾患をもつ人に悪影響する可能性がある。 日本でも微小粒子物質(PM2.5)の大気中濃度が国の指針値(大気1m3当たり1日平均35マイクロ・グラム)を超える日が出没し、注意報や警戒予報がでるこの頃である。 気象協会NHKは毎日、「PM2.5予測情報」や「PM2.5大気汚染粒子拡散予測」を出して注意を喚起する。 

 人間は環境化学物質の83%を空気すなわち肺から取り込み、飲料から8%、食品から7%取り込むとされる。 食べ物や飲料から入る化学物質は約15%と比較的少ないのに対し、大気からの取り込み率は80%を超え実に大きいのだ。 安静呼吸時に成人が1日に呼吸する空気量は約20kgで、これは1日における食品・飲料摂取量の約10倍にもなる量である。 清浄な空気を確保することの大事さがわかる。

 2013年1月の経済参考報で大気汚染指数世界ワースト10に列挙された都市は、1)北京市、2)重慶市、3)太原氏(山西省)、4)済南市(山西省)、5)石家荘市(河北省)、6)蘭州市(甘粛省)、7)ウルムチ市(新疆ウイグル自治区)、8)ミラノ(イタリア)、9)メキシコシティ(メキシコ)、10)テヘラン(イラン)、の10都市であり、中国から7都市が入っている。  続いてThe Economist はWHOの情報に基づき国ごとの比較を行い大気汚染都市のワースト17を発表した。 これによると、1)ルディアナ(インド)、2)蘭州市(中国)、3)メヒカリ(メキシコ)、4)メダン(メキシコ)、5)釜山(韓国)、6)ヨハネスブルグ(南アフリカ)、リオデジャネイロ(ブラジル)、8)トリノ(イタリア)、9)セビリア、サラゴサ(スペイン)、10)パリ(フランス)、と続き、大阪(日本)が16位にランクインしている。 ビジネス情報サイトの「クォーツ」(2013年)が発表した大気汚染の世界ランキングでは、1)アフワズ(イラン)、2)ウランバートル(モンゴル)、3)ルディアナ(インド)、4)ペシャワル(パキスタン)、5)ハボローネ(ボツワナ)、がトップ5である。 日経ビジネスオンライン(2014、2、6)による中国大気汚染ワースト都市ランキングのワースト3は、1)石家荘市(河北省)、2)邢台市(河北省)、3)唐山市(河北省)、である。

 大気汚染物質は、人間活動によって直接排出される一次汚染物質と、一次汚染物質が大気中で反応して生成される二次汚染物質からなる。 大気汚染は地上から数㎞の大気の底で発生するため、その発生と持続に最も大きな影響を及ぼす気象因子は風と大気安定度である。 大気安定度は気温の垂直分布と深い関係をもち、大気下層の気温が上層の気温より低くなると、大気汚染物質が地上付近に閉じ込められ拡散しないため大気汚染濃度が高まる。

 都市の大気汚染は煙霧(スモッグ)とも呼ばれ、発生源の工場や自動車などの動態が流動的で、その日の風速や風向き次第で大きく変わり、リアルな発生状態の把握は必ずしも容易ではない。 よってランキングはあくまで参考資料とすべきものだろう。 WHOは2014年3月25日、PM2.5などの大気汚染や調理に伴う家庭内の空気汚染を原因とする死者が、2012年に世界で推計700万人超だったという調査結果を発表した。 これは死者全体の8人に1人を占めることになるというから驚きだ。 大気汚染は環境健康リスクで最も深刻な要因であり、各国が環境投資を進め、総合的な環境対策を強化しなければならない時である。


      マスクして我と汝でありしかな        高浜虚子
      春塵に巻かれ遠のく列車かな         中島澄夫
      腹の立つ人にはマスクかけて逢う       岡本 眸

死刑制度は是か非か

 世界最大の国際人権非政府組織(NGO)であるアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International :本部ロンドン、1061年発足)の最近の報告によると、2013年における世界の死刑執行件数は世界22か国で778人に達し、前年を96人上回り前年比で大幅増になったという。

 国別で多いのはイラン369人、イラク169人、サウジアラビア79人などで、米国は39人、日本は8人である。 ただ中国は公表しておらず、数千人が処刑されたと推定されており、これを加えると実際には大幅に増加することになる。  因みに、2004年における死刑執行数が、世界で最も多いのは、中国の3400人で、これは全世界の90%以上になるとされ、第2位はイランの159人である。

 死刑(death penalty)は現代の法体系で最も重い刑罰(極刑)であり、日本では主に殺人罪に対し適用されるのが一般的である。 執行方法は電気椅子、銃殺、絞首刑、切腹、ギロチン、餓死、火刑、溺死、釜茹で、石打、車裂き、など多彩である。 現代におけるの本の死刑は絞首により行われる。 日本は執行の際に痛みを感じさせず即死させる絞首刑の技術をもつとされ、処刑台の床板が外れて体が落下すると、その衝撃で延髄損傷と頸骨骨折が発生し瞬間的に意識を失うとされる。 また少しでもきれいな状態で絶命させ、受刑者の尊厳を保つための工夫もされているといわれる。

 死刑制度には賛否両論の長い道のりがある。 殺人罪の場合は被害者の立場からは多くが極刑を望むとされ、その心情を察すれば複雑な気持ちに駆られる。 社会制度として死刑制度をもつことが凶悪犯罪の抑止につながる可能性も否定できない。 しかし、死刑は「究極の人権侵害で、生きるという最も基本的な人権を否定するもの」であり、アムネスティ・インターナショナルは、死刑廃止に向けて国際的な連帯を強化する必要性を訴えている。 

 死刑そのものは、人道に反する行為であることに間違いはなく、われわれ一人ひとりにその存廃を問う難しい問題の一つであるように思う。



    行く春を死でしめくくる人ひとり            能村登四郎
    行春や鳥啼き魚の目は泪                松尾芭蕉
    行く春やみんな知らない人ばかり            辻貨物船

台所の椿(サイズ小)
我が家の台所窓際に活けられた「天が下」:2014年4月20日撮影

 

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR