ビューティフルレインとアルツハイマー型認知症

 現在、フジテレビ系列で若年性アルツハイマー型認知症をテーマにした日曜ドラマ「ビューティフルレイン」が放映され、2つの家族の娘役を芦田愛菜と中谷美紀が好演し、見ごたえあるヒューマンドラマとなっている。ドラマでは認知症にかかわる問題点を鋭く切り込む場面もあり、今後どんな展開を見せるか興味がわく。 

 厚労省は8月24日、全国の認知症患者数が2012年で305万人に達し、初めて300万人を突破したと発表した。2002年には149万人だったので、この10年間で2倍に増えたことになる。また65歳以上人口に限ると日本人の10人に1人が認知症を患っていることにもなる。 この病気の悲劇は進行すると、肉親の顔をみても誰だかわからなくなり、生き甲斐感が失われるという現実にある。 認知症は脳の病気であり、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫など一部に治療で治るものもあるが、多くはアミロイドβという異常たんぱく質が脳に異常蓄積することが主な原因と考えられており、治癒させる薬物はまだ開発されていない。現在使われている薬物は神経伝達物質のアセチールコリンを増やす作用をもったドネペジル塩酸塩やグルタミン酸受容体拮抗薬のメマンチンなどであるが、いずれも進行を遅らせる程度の効果に限られる。変わりなければ効いているとされるわけだ。

 遺伝子型解析で、個人の体質を決めている一塩基多型(スニップ)を調べ、ApoEε4遺伝子型をもつ人は、アルツハイマー型認知症になるリスクが3倍高いといわれる。リスクが高い人は早期から予防対策を強化する必要があるようだ。

 最近、富山大学の研究グループはアルツハイマー病発症マウスを用いた実験で、山芋に含まれるジオスゲンを1日1回20日間投与すると、脳のアミロイドβを平均70%減少させ、変性した脳組織の修復と記憶力の改善に成功したと発表した。ただ山芋でジオスゲンの有効量を摂取するには1日10kg食べる必要があるという。 今後、ジオスゲンの大量生産に成功し、ヒトでの有効性が確認されれば、認知症治療は大きく前進することになる。 研究の発展を期待したいものである。
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人類発祥の地、ケニアへの旅(その2)

 ケニア文化の一つに停電がある。 地方のアンボセリやマサイマラはおろか首都のナイロビでも突然の停電があり、慣れないとビックりする。 ただ停電はなぜか数分以内に復旧するので、あわてずにじっと待つ忍耐が要求される。 アフリカ旅行では、三つの「あ」が大切だと教えられた。それは、1)あわてない、2)あきらめない、3)あてにしない、の3つである。 加えて「頭を使え」も必要かもだ(^-^)

 流通通貨はケニア・シリングであるが、米ドルも問題なく通用する。ただし米ドルで払っても、細かいつり銭はすべてシリングで来るので、あらかじめある程度のシリングを用意しておいたほうが便利で、多少はその方が安上がりにすむこともあると思う。 1円が1シリングだからわかりやすい。 大手スーパーで値段が表示してあるような店での買い物は、そのまま買うが、土産店の多くは正規の値段を表示してなく、店員の言い値を聞いてそれを値切って買うのが普通になっている。交渉をあきらめて早い妥協で買いに走ると後で大損だったと気づくことがあるので、段階を踏んで、まじめに交渉した方がよい。

 さて、人類発祥の地はタンザニアの北部からケニアにかけて広がる大地溝帯の中にあるオルドバイ峡谷(Olduvai Gorge)当たりとされ、峡谷の断崖からは約180万年前から170万年前の堆積層より100体以上の人類化石や遺跡が発見されている。 それは1959年、ケニア生まれのイギリス人、ルイス・リーキーと妻メアリー・リーキーによる発掘によるもので人類史上極めて貴重な発見であった。 今なお自然と共存し,牛やヤギの放牧で生きるマサイ族(写真1)の居住地を訪ねると、現代人として考えさせらる事が多い。

 サバンナの動物は多種多彩で、サファリは動物好きにはたまらない。アフリカ旅行者にはリピーターが多いというのもうなずける。 動物が居住するサバンナの多くは国立公園や自然保護区に指定され狩猟は禁止である。 動物分布は場所や季節で異なるが、この時期、数的にはヌーとシマウマ(写真2)が多かった。ゾウ(写真3)、ライオン(写真4)、インパラ、ガゼル、サイ、キリン(写真5)、イボイノシシ、バッファローなどをはじめ、名前のわからない動物に遭遇することも多く、スターリング、カンムリツルなど珍しい鳥も多い。 アフリカ動物図鑑や鳥図鑑で、あらかじめ勉強してから旅行すると楽しさは倍増するだろう。

歓迎するマサイの人々
写真1 歓迎するマサイの人々
                   ヌーとゼブラ
                  写真2 サバンナのヌーとゼブラ                                    サバンナのゾウ 写真3 サバンナのゾウ

  サバンナのライオン 写真4 サバンナのライオン

                    サバンナのキリン
                     写真5 サバンナのキリン

人類発祥の地、ケニアへの旅

 8月7日から1週間夏休みをとり、人類発祥の地、ケニアを旅してきた。 アフリカ大陸への上陸はわが人生において初である。ケニアは赤道直下にあり、暑い土地の先入観をもっていたが、国土の大部分は標高1100~1800mと高く、この時期の気温は13~28℃で、朝は上着2枚では肌寒く、昼は2枚で丁度、日本の夏よりはるかに過ごしやすい。 日本のような四季はなく、1年の平均気温は25℃という。長距離走で強い人が多いのもうなずける。 車の洪水の感がある首都のナイロビから一歩郊外に出ると広大なサバンナが延々と続き、そこはまさに秘境であり、野性動物の天国である。 アンボセリ(1拍)、マサイマラ(2泊)、ナクル湖(1泊)へと回り、各所でサファリカーでサファリを試みた。 

 この時期は雨期を求めてヌーの大群が南のタンザニアから川を渡ってケニア側に押し寄せ広大なサバンナを埋め尽くすほどの壮観である。 加えてシマウマ、ガゼル、インパラ、バッファロー、キリン、ゾウ、サイ、イノシシなどの中~小群が混じり、動物天国の様相である。 さらに少数のライオン、チーター、レパード、ワニなどの肉食動物が点在し、草食動物を狙う構図となっている。 かつて狩猟の対象となった大型動物のライオン、アフリカゾウ、アフリカスイギュウ(バッファロー)、ヒョウ、サイを、今でも「ビッグ5」と呼んでいる。 アンボセリでは、アフリカ最高峰のキリマンジャロの雄姿が望まれて素晴らしかった。

 移動途中にマサイ族の小村を訪れた。20人ほどの独特のダンスと歌で歓迎を受けた。村は木のやぶで囲まれ、小さな家の壁は牛の糞を塗りつけて乾燥させたもので、周辺にハエが多いのも納得である。 修理しやすい利点がある。 電気や水道はないが、敷地内には子供達を教育する学校がある。スワヒリ語と英語が公用語となっている。 マサイ族は紀元前2000年の文化を引き継いでおり、伝統衣装をまとい、誇り高い民族として知られる。牛、ヤギ、ヒツジの放牧で暮らす。 ちなみに、米国44代大統領でノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマ氏の父親はルオー族のケニア人であり、マケイン氏を破って大統領当選が決まった翌日の2008年11月6日はケニアの祝日となった。

 サバンナの大自然と古代~現代文化が混在するアフリカ文化を肌で知る心に残る旅であった。


日本人の平均寿命は頭打ちか

 平均寿命は、0歳児においてその後何年生きられるかという期待値である。 厚労省は先月下旬、2011年の日本人の平均寿命が男性79.44歳、女性85.90歳になったことを発表した。 女性は1985年以来26年間守り続けた長寿連続世界一の座を86.7歳の香港に明け渡して、第2位となった。男性は第4位から第8位に順位を下げた。男女とも2年連続で前年を下回ったのは初めてという。 昨年、平均寿命が低下した主要原因は東日本大震災による死者の増加であり、総死者数は1万5867人に及んだ。他の要因としては、20歳代女性の自殺率増加があるようだ。 東日本大震災がなかったとしても女性の第2位は不変という。 これまで順調に伸びてきた我が国の平均寿命が頭打ちとなり、今後も続けて下がるのかどうか注視する時を迎えている。

 さて近年、平均寿命よりも介護を必要とせずに自立して生活を送れる生存期間として、健康寿命を重視する動きが高まってきた。2012年6月の厚労省発表によると、2010年統計で、日本人の健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳である。介護を必要として生きる介護寿命は男性で約9年、女性で13年となる。 われわれ日本人は10年前後は他人の助けを借りないと自分の命を全うできないことになっているのだ。 

 要介護の原因疾患は、平成22年の国民生活基礎調査によれば、1)脳卒中(21.5%)、2)認知症(15.3%)、3)高齢による衰弱(13.7%)、4)関節疾患(10.9%)、5)骨折・転倒(10.2%)、の順に多い。

 健康長寿を伸ばすためには、脳血管障害(主として脳梗塞)、認知症、そして骨関節疾患(主として骨粗鬆症)の予防に向けて青年期より重点的に取り組む必要がある。 日頃から頭と筋肉と骨の3つを鍛えるよう心がけたいものだ。

 

寝る時の体位を考えてみよう

 日本では仰向け(上向き)になって就寝し、入眠すると大小のいびきをかく人が多い。 仰向けで寝ると舌がのどに落ち込んで、気道がふさがれやすくなり、狭くなって乱気流が発生し、粘膜の振動音としていびきが起こる。 いびきの原因は就寝体位に加え、口呼吸、肥満、扁桃腺肥大など多彩であるが、寝る時の体位をうつぶせにしたり、横向きに変えるだけで改善することが多い。

 ある調査によると、いびきは男性の42%、女性の15%にみられるとされ、またいびきを常習とする人は全国で2000万人、その10%に当たる200万人が「睡眠時無呼吸症候群」であるともいわれる。
10秒以上の無呼吸をしばしば伴ういびきは「睡眠時無呼吸症候群」という病気であり、程度に応じた治療が必要となるので、専門の睡眠外来を受診すべきである。 放置すると、睡眠中に目覚める「中途覚醒」が増え、熟睡できないため、体がリラックスできず、夜間の血圧低下は見られず、酸素不足で心臓に負担がかかり不整脈を招き、まれだが突然死もある。日中の記憶力や集中力は低下しやすく、仕事中の事故や老年期認知症のリスクも高くなる。

 腹ばいで寝る「うつぶせ寝」には、次のような利点がある:1)舌根が沈下せず気道が狭くならない、2)腹式呼吸になるので肺活量が増え呼吸が楽にできる、3)腰に体重がかからないので床ずれ(褥瘡)ができにくく、腰痛予防にもなる、4)鼻が悪くても、のどに痰が溜まらず、寝つきがよくなる、などである。 最近は寝具専門店で「うつぶせ寝用の枕」が販売されているので役に立つ。 腹ばいが難しい人は横向き寝を試してみるのもよい。 いびきや腰痛の人は結構多いので、寝る時の体位を再考し、自分に合った体位を習得することは、老化防止、健康増進を図る上で大切である。 就寝体位は一つの習慣であり、長年仰向けで寝てきた人にとって、これを変えることは苦難の業であり、慣れるのには相当の時間と根気が必要だが、試してみる価値はある。

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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