世界一のパワースポット「セドナ」

 米国アリゾナ州の中北部の町「セドナ(Sedona)」は標高1319mの高地にあり、人口約1万5千人の小さな美しい町である。 この地は10世紀頃から15世紀前半にかけ、アメリカ原住民がレッドロック岩壁の横穴を使って住居とし居住したという歴史があり、その昔はネイティブアメリカンの聖地だったとされる。 この地特有の酸化鉄が混じった赤土の大地は磁性を帯び、強力なエネルギースポットがあちこちに点在するので、世界的なパワースポット、ヒーリングスポットとして知られる。

 セドナには、ボルテックス(渦巻 : Voltex)と呼ばれるエネルギーの渦があるとされ、自然のパワーが噴出する場所も多くあることから、「スピリチュアルな癒しの町」ともいわれ、現在はその力やインスピレーションを求めて世界中から芸術家を含めて多くのセレブやヒーラーが訪れる場所として知られる。

 強い磁力は地中から湧き出し渦を巻いているとされ、4大ボルテックスとして、1)頂上から360度のセドナを見渡せる「エアポート・メサ」、2)外観が大聖堂のように見える「カテドラル ロック」、3)外観が鈴の形をした「ベルロック」、4)最強のパワーを噴出するとされる「ポイントンキャニオン」、が有名である。 それぞれの出すエネルギーには、男性用と女性用があるといわれる。 我々はグランドキャニオンへ向かう途中の8月19日アリゾナの州都フェニックスから北へバスで約2時間を要しセドナに着き一泊した。 夕刻のエアポート・メサを訪れて、パワーストーンに座るなどして、しばしエネルギーの渦に身を任せることとなった。 さて、どんなエネルギーのご利益をもらうことになったのか、今後の楽しみでもある。

 町には、パワーストーンの専門店があり、赤茶けた色合いをした砂岩(レッドサンドストーン)のセドナストーン(ボルテックスストーン、セドナライトとも呼ばれる)や、州の石にも認定されている鮮やかな空色が特徴のターコイズ(トルコ石)を並べ人気がある。

エネもらう夏のセドナに赤い土  中島澄夫
エネ満ちてセドナの街に南風  中島澄夫
赤石に座れば力セドナ夏  中島澄夫
浦風に旅忘れけり夕涼  小林一茶

セドナ概観1
セドナの街とレッドロック (2017年8月19日 撮影)
スポンサーサイト

グランドキャニオン国立公園

 一生で一度は訪れてみたい場所の一つにグランドキャニオン(Grand Canyon)がある。今夏この望みをかなえることとなった。 グランドキャニオンはアメリカでは最も古い国立公園の一つで、2億5千年前から20億年前の地球の地層が観察できる場所として名高い。 世界で最も多くの化石が発見された場所でもある。 1979年に世界遺産へ登録された。

 総面積は4927平方キロメートルと広く、4000万年前にコロラド高原のコロラド川による浸食が始まり、200万年前に現在の自然の驚異というべき雄大な大峡谷が出来上がったとされる。 断崖は446kmに渡り、平均の深さは1200m、最深部は1800mに達する。 今は8層の地層が露出し、最古の地層は20億年前に形成されたとされている。 現在生息する生物は、植物1500種以上、鳥類355種、哺乳類88種、魚類17種などである。 この地にアメリカ原住民が住み始めたのは、4000年前とされる。 この地に足を踏み入れて最初の科学的調査を行ったのは、アメリカ軍人のジョン・パウエルで、1869年のことである。

 グランドキャニオンは、サウスリム(South Rim)とノースリム(North Rim)の2つの玄関口をもち、それぞれに多くの絶景ポイントがあって、展望台から峡谷を展望できる。 時間に余裕があれば、多くのビゥーポイントを回ったり、場所によってはトレイルを歩き景色を見ながら、トレッキングを楽しんだり、セスナ機で上空を散歩することもできる。 朝日を見るには「マーサーポイント」が、夕日を見るには「ヤバパイポイント」が最適とされている。 我々がバスで到着したのは、8月21日の午後である。 曇り空で、一時、雨が数滴パラパラして遠雷を聞いたが、雨具の心配はなく,すぐ止んでよかった。 時間的制約もあり、サウスリムのデザートビゥーポイントとグランドビゥーポイントの2か所に立ち寄っただけだったが、それでも息をのむグランドキャニオンの大パノラマを満喫するには十分な時間があってよかった。

 最初に寄ったデザートビゥーポイントはサウスリムの東端にある。 昔、周辺に君臨していたホピ族(Hopi)が崖の北方から襲ってくる野蛮な種族を見張るために作られた見張り塔を再現したというウォッチタワーがある。 タワー内には、上に続く細い階段があり、最上階まで登ると、広大なグランドキャニオンを一望できる。 グランドビゥーポイントはサウススリムでは標高が約2250mと、最も高い。

遠雷やグランドキャニオン栗鼠も来て  中島澄夫
グランドキャニオン底の底まで夕焼けて  中埜恵美子
赤肌のグランドキャニオン天高し  須磨直俊
大西日グランドキャニオンいよよ赤  中島 葵

grand cyanion
コロラド川とグランドキャニオン (2017年8月21日 撮影)

GCanyon2.jpg
グランドビゥーポイントから見たグランドキャニオン(2017年8月21日 撮影)

GCのリス2
栗鼠のお出まし、グランドキャニオンにて (2017年8月21日 撮影)

ナイアガラの滝

 山にみる涼しげな滝は一服の清涼剤である。 滝は遠望する時、幅が狭いと白糸のごとくであり、広いと風に舞う布のごとくでもあり、瀑布の名がある。 「滝(瀧)」という漢字は水が龍のように長く太いすじをなして流れ落ちる様子を表した会意文字である。 俳句では夏の季語であり、滝を読んだ俳句は少なくない。

 世界三大瀑布は、北米大陸の米国ニューヨーク州とカナダ・オンタリオ州にまたがるナイアガラの滝(Niagara Falls)、南米大陸のアルゼンチンとブラジルにまたがるイグアスの滝(Iguazu Falls)、およびアフリカ大陸のジンバブエとザンビアにまたがるビクトリアの滝(Victoria Falls)の3つで、いずれも規模が大きく、2国間にまたがり国境ともなっている。  ただ落差が最大の滝は、南米大陸ベネズエラのエンジェルフォール(Angel Falls)であり、その落差は979mを誇っている。 

 今夏の旅行で世界三大滝の一つであるナイアガラの滝を観光した。 この滝はカナダ滝アメリカ滝の2つからなる。 五大湖の一つであるエリー湖の水がナイアガラ川を流下し、ゴート島によって2つに分けられ、2つの滝となって落下し、オンタリオ湖へと流れる水系である。 滝の発祥地点は、現在よりも11kmも下流にあったとされ、1950年代までは浸食により年間1mずつ上流へ移動したが、落下水量の均等化工事で現在は年間3㎝程度に抑えられているという。 防水着を着て遊覧船(滝見船)に乗り、滝つぼまで入る周遊は迫力あってスリル満点だ。 米国では新婚旅行の人気スポットの一つであり、周辺にはカジノも多い。

ナイアガラ市で宿泊のホテルは、部屋から2つの滝を望むことができ、その日はちょうど金曜日で夜、花火を楽しめたのもよかった。

ずぶぬれて大人も絶叫ナイアガラ  中島澄夫
観瀑船マイナスイオン坩堝行く  中島 葵
時差ぼけを吹き飛ばしけりナイアガラ  中島 葵
滝落ちて泡の造形たたみこむ  阿杉公枝

カナダ滝1
轟音とともに流れ落ちるカナダ滝 (2017年8月18日 撮影)

アメリカ滝
アメリカ滝と滝見船 (2017年8月18日 撮影)

ナバホインディアン保留地

 アメリカ大陸にキリスト教世界の白人として初めて上陸したのは、アイスランド生まれでスカンジナビア人のレイフ・エリクソンだとされる。 その400年後にイタリア生まれでスペイン系ユダヤ人とされるコロンブスがスペインの援助を受けて、1492年アメリカ大陸に到着して、これがきっかけになり、以後ヨーロッパ諸国による北アメリカ大陸への進出が本格化したという歴史がある。 しかし人類で初めてアメリカ大陸を発見し住み着いたのは、まぎれもなく先住民アメリカインディアンの祖先であり、それははるか昔の1万5千年前だったとされる。

 アメリカインディアンには、ナバホ、チェロキー、チョクトーなど多くの部族があるが、最大の部族はナバホ(Navajo)・インディアンで、現在その人口は約30万人、彼らの保留地はアリゾナ州で北海道ほどの広大な面積を持ち、準自治区になっている。 彼らは議会を作って居住地を管理運営し、ナバホ・ネイションと呼ばれている。 モニュメントバレーアンテロープキャニオンは、この地域内にある。

 今年8月、念願かなって初めてこの地を訪れることができた。 モニュメントバレーには、西部劇の世界が広がっており、広大な土地に点々とそびえ立つ巨大な奇岩の数々とパノラマビゥーは圧巻で絵になっている。 ナバホ族ガイドさんの案内で、数々の奇岩を近くに眺めながらバレーを駆け抜け、いくつかの絶景ポイントに立ち寄る。 ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の「駅馬車」に代表される多くの西部劇映画の舞台となっており、ジョン・フォード監督の記念博物館がある。 

 アンテロープキャニオンも、ナバホインディアンの保留地内にあるため、入場許可証が必要でナバホ族のガイドの同行なしでは、見学できない。 バホ族のガイドさんが運転する専用車で、砂漠のようなオフロードを進み、アンテロープキャニオンへ到着する。 アンテロープキャニオンは、ナバホ族の聖地とされ、ペイジ近郊にある奇妙な造形をした砂岩に囲まれた渓谷である。 神秘的な光の差し込む洞窟に入ると、まさに絶景が広がる。 キャニオンの上流に降る雨による鉄砲水と風が、砂岩を長い年月をかけて狭く深く削り出すことによってできた造形美である。 今でも鉄砲水の通路であり、雨天時には危険で、見学は禁止となる。 

インデアン居留地の果て大西日  鍋島蕗子
アリゾナの砂漠の町の冬茜  松坂 都
キャニオンの大渓谷の昼の月  増田一灯

モニュメントバレー1
モニュメントバレーにて (2017年8月20日 撮影)
DSC03407.jpg
アンテロープキャニオンにて (2017年8月21日 撮影)

北米への旅2017

 情報過多であわただしい日常に追われる多くの人にとって、静寂や無、孤独、空白といった言葉は、時には千金に値する贅沢である。 そんな意味で、一時的とはいえ日常から逃れて旅に出るのは、人に与えられた一つの贅沢だといえる。

 今夏は久しぶりに北米旅行を思い立ち、夫婦で8月16日から8日間の日程でカナダと米国を回ってきた。 まずはバンクーバー、カルガリーを経て、カナディアンロッキーの起点、バンフに着く旅の第一日のスタートである。 世界で2番目に国土の大きいカナダは、今年(2017年)建国150年を迎え、各種の特典を用意した年でもある。

 カナディアンロッキーは、カナダ西部のブリティッシュコロンビア州とアルバータ州を分ける山脈で、最高峰のロブソン山(Mt Robson、標高3954m)を始め、標高3000m級の山々が連なり、手づかずの大自然の中をロッキーパノラマ街道(アイスフィールド・パークウェイ・全長230Km)を走って移動する旅である。 街道沿いには、100以上もの氷河、鋭い岩の頂上から流れ落ちる滝やターコイズブルーの美しい氷河湖など見どころが目白押しであった。

 カナディアンロッキーでは、コロンビア大氷河を歩き、ルイーズ湖、モレーン湖、ペイト湖などの神秘的ともいえる景勝に魅了された。その後、空路トロントへ移動し、ナイヤガラの滝」を満喫してから、米国南部のフェニックスへ空路で移動し、セドナを経て、アメリカの原風景ともいえるモニュメントバレー、アンテロープキャニオン、グランドキャニオンへと歩を進め、その壮大な景観と大自然の持つ力強さに圧倒され、深く印象に残る旅となった。 雄大な自然に心が洗われ、改めて自分を見つめる新たな出発点に立てた気になれたのはよかった。 旅は正に友である。

紺碧の空に色足す青氷河  赤松多希子
雲海にロッキーの嶺々牙を研ぐ  植木美枝子
ロッキーの雪代呑んで生きのびん  勝田澄子

コロンビア大氷河を歩く
コロンビア大氷河 (2017年8月17日 撮影)

Morain Lake
Moraine Lake (2017年8月17日 撮影)

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR