自然災害による死亡率が高い

 名古屋ではソメイヨシノの開花宣言が3月28日に出たものの、勤務先の桜は蕾が大きくなってはいるが、開花はほんの少しで、花見は今週末あたりが適当となりそうな気配だ。 庭の椿(玉霞)と玄関先の沈丁花は今まさに満開で見ごろとなった。 桜を前に3月27日には、栃木県の那須温泉ファミリースキー場付近で大規模雪崩が発生し、登山講習会に参加していた高校生7人と教員1人の計8人が雪で押しつぶされ圧死するという痛ましい事故があった。

 春山では凍った雪の上に新雪が積もると、表層雪崩が起きやすいので安全への配慮を欠かせない。 医学生時代に強健な山男が、やはり春山の雪崩に巻き込まれ犠牲になっている。生きていたらどんな活躍がみられたのかと思うと胸が詰まる思いだ。

 WHO世界保健統計2016年版によると、最近6年間(2011~2016年)における自然災害による年間平均死亡率(人口10万当たり死亡数)の国別ランキングは、第1位 ネパール(7.2)、2位 日本(3.4)、3位フィリピン(2.5)、となっている。 米国、英国、ドイツ、フランス、イタリアなどは0.1未満である。 地震、台風、火山噴火、雪崩など天災の多い日本では、自然災害によって死亡する率は世界でもトップクラスであり、自然災害への心構えを強く持って、その対策を強化しなければと、改めて思うこの頃である。

雪崩るるよ盆地の闇をゆるがして  藤沢周平
玉椿つついて遊ぶめじろかな  中島澄夫
深追いの恋はすまじき沈丁花  芳村うつき

安曇野風景1
早春の安曇野 (2017年3月20日 撮影)

梅が咲き始きはじめ
梅が咲きはじめる・大王わさび農場(信州安曇野)にて (2017年3月20日 撮影)






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3月は自殺対策強化月間

 例年、日本における月間自殺者数の最も多い3月は、「自殺対策強化月間」と定められ、各市町村は関係団体と連携して、重点的に対策を強化し、「生きる支援」のための活動を積極的に展開すべし、とされている。 悩みを抱えた人が必要な支援を受けられるような相談事業を含む支援策を強力に推進しなければならない。

 WHOが発表した主要国における2016年の人口10万対国別自殺率は、1位 韓国(36.8)、2位 日本(23.1)、3位 米国(13.7)、4位 ドイツ(13.0)、5位 オーストラリア(11.6)、となっており、日本では近年減少しつつあるものの、依然として高率である。

 先日は、北朝鮮のキム・ジョンナム氏がマレーシア空港で公然と毒殺される事件があり、全世界を驚かせたばかりだが、国別の人口10万対の他殺率を見ると、1位 米国(5.4)、2位 韓国(2.0)、3位 オーストラリア((1.1)、4位 ドイツ(0.8)、5位 日本(0.4)、となっている。 他殺は日本では比較的低率であるが、他殺の約半数は親族間で起こっており、わが国では自殺対策に加えて、増加しつつある介護殺人などへの対策を講じる必要が高まっている。 

 このところ、世界幸福度ランキングで第1位を競うのは、フィジーとコロンビアだが、「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現は、人類にとって苦難の道ではあると思う。 今は満開となったしだれ梅が見どころである。

梅見ても青空見ても田舎かな  小林一茶
ピンクシャワーホワイトシャワーしだれ梅  中島 葵
白梅に立ち紅梅を見て居りぬ  上迫しな女
仕事仕事梅に咲かれてしまひけり  加藤かな文

枝垂れ1
700本のしだれ梅が咲き競う名古屋市農業センターにて (2017年3月13日 撮影)

しだれ梅2
我が世のしだれ梅・名古屋市農業センターにて (2017年3月13日 撮影)

ゲーム依存症の増加

若い人たちがスマートフォンやインターネット、ゲーム機器などを使ってゲームに夢中になる姿を見かけることが増えてきた。 この傾向は日本だけでなく世界的な潮流のようだ。 厚労省の2013年に10万人を対象にした実態調査によると、ネット依存の中高生は全国で51万8千人にのぼり、Young KS の20項目基準(1998年)に基づいて分析すると、中高生の8%がゲーム依存症(ゲーム中毒)で、若年層での増加が目立ったという。

 昨年、鹿児島県の心療内科・増田医師が県内の小中高生6千人を調査したところ、ゲーム依存症は何と4年間で2倍に増えており、特に小学校低学年の男子では児童の15%がゲーム依存症の状態だったというから、これは深刻な社会問題である。

 ゲームに夢中になると、時間観念が薄れる結果、生活リズムが狂い、やがては寝不足から遅刻の常習、不登校へと発展しやすく、姿勢は悪くなるし、コミュニケーション能力が低下し、問題行動を起こしたり、性格異常をきたすこともまれではない。 

 先ずは子供を持つ親の監督と見守りが何より大切で、少なくとも小学校2~3年生までは、ゲームを禁止すべきだろう。 許可する場合も個室ではなく、居間のような人目の届く範囲内で行わせ、1日30分以内とするなど、工夫を凝らしたいものだ。 この時期、老いも若きも、家族ともども外へ出て、ウインタースポーツを楽しみたいものである。


足迹のあわれいつ迄残る雪  小林一茶
ほっかりと梢に日あり霜の朝  高浜虚子
枯菊を残らず刈りて春を待つ  阿部みどり女

赤倉観光スキー場
赤倉温泉スキー場 エレガントコース (2017年2月19日 撮影)

岡倉天心堂
雪で埋まった岡倉天心堂:新潟県赤倉温泉スキー場にて (2017年2月19日 撮影)


のど飴のヒゲナミンが禁止薬物に

 スキー、スケート、長距離走とウインタースポーツが華やかな今日この頃である。 スポーツ競技選手は成績に影響のある薬物の摂取を禁止されており、競技後にドーピング検査を受け、禁止薬物が検出されるとフェアプレーの精神に反するとされ失格となる。世界アンチ・ドーピング規定(WADA規定)の国際基準に従って、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が禁止薬物を規定する。


 今年の1月から新たに禁止薬物の仲間入りをしたものに、南天成分のヒゲナミンがある。 ヒゲナミンは交感神経β2受容体への刺激作用があり、このため気管支が拡張するので気管支ぜんそくの治療薬として有効であり、また大量に使うと交感神経興奮や蛋白同化作用による筋力増強効果を認めることが知られており、今年から新たに禁止薬物に指定された。

 ヒゲナミンは多くの漢方薬、のど飴、サプリメント、栄養補助食品、市販感冒薬などに含まれており、競技者は競技前にうっかり摂取しないよう注意が必要になる。 のど飴によく使われているナンテン(南天)、ブシ(附子)、チョウジ(丁子)、サイシン(細辛)、ゴシュユ(呉茱萸)などの生薬にはヒゲナミンが含まれる。 また禁止薬物のエフェドリンを成分として含む漢方薬のマオウ(麻黄)やハンゲ(半夏)は市販の風邪薬や漢方薬に含まれることが多いので、同様に注意が必要となる。 

 同じ「のど飴」でも、「龍角散のど飴」などヒゲナミンを全く含まないものもあるので、風邪で市販薬やのど飴を使うときは成分をチェックしたうえで利用するようにしたい。 ただ競技ではなくスキーなど一般人としてウインタースポーツを楽しむ者にとっては、軽い風邪なら南天のど飴で呼吸が楽になり、邪気が吹き飛ばされる可能性もあり、利用価値があることも覚えておきたい。

鳥籠に青き菜をたし春の風邪  大木あまり
マスクして紅きくちびるかくれけり  日野草城
マスクして我を見る目の遠くより  高浜虚子
マスク同志向かひ合せてまじまじと  中村汀女

横手山頂風景
冬の横手山山頂からの眺め

大寒

 今日は大寒である。 2月上旬の立春に向けて、1年のうちで寒さが最も身に凍みる季節の中心であり、日本各地で様々な行事が行われる。 寒稽古や寒修行などの神事に加え、この寒さを利用して日本酒や味噌、醤油などの仕込みが始まる時期でもある。 

 寒さが厳しいと空気が乾燥しやすく、風邪ウイルスやインフルエンザウイルスが活発化しやすいので、部屋の温度管理だけでなく湿度が40%を切らないよう加湿器を上手に使って保湿に心がけたい。 国立感染症研究所の発表によると、本年1月の最初の1週間におけるインフルエンザ患者数は、25都道府県で、1医療機関当たり10人を超え、注意報レベルに達している。 1位は岐阜県、2位秋田県、3位愛知県である。 マスクや手洗いの徹底、咳をしている人からは最低2mは離れることなどを心がけ、冬の呼吸器感染症を予防したいものだ。

 今日はまた身勝手ともいえる発言を繰り返すトランプ氏が、第45代の米国大統領に就任する日でもある。 しばらくはお手並み拝見とするしかないが、大国米国のかじ取りがどんな方向に動き出すのか、今後しばらくは目を離せない状況が続く。 願わくは品格と威厳を備えた大統領であってほしいものである。 前任者にはそれがあったように思うのだ。

七草の音に負けじと烏かな  小林一茶
重装備七草粥に列長蛇  中島澄夫
浅みどり春七草の小籠かな  高橋淡路女

春の七草
並べられた子籠の七草:豊田市足助町の八幡宮で行われた七草がゆイベント会場にて (2017年1月7日 撮影)
隣の足助神社で引いたおみくじは何と「大吉」、今年への期待大。
 

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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