雛祭りとおひなさま

 花桃が満開となり、桃の節句、ひな祭りの季節となった。 日本では2月中旬に蔵から出された雛人形が揃って祭壇に並び、ひときわ華やぐので、心も何となく豊かになる気がする。 日本の伝統行事だが、3月3日は祝日とはなっていない。

 昔は、おひなさまは嫁入り道具の一つとされ、母方の実家から贈られる習慣があったようだ。 例年2月になると、いつも大事そうに3段飾りの飾りつけをしていた、今は亡き母の姿を思い出す季節でもある。 雛人形の飾り方はいろいろあり、地方により違いがみられる。 現在は一般的には、結婚式の新郎新婦と同じように、男雛を右(向かって左)、女雛を左(向かって右)に配置することが多いものの、決まり事にはなっていない。 江戸時代までは、古来の宮廷儀式にならって、その逆に飾る慣わしだったとされる。

 ひな祭りは平安時代に始まった伝統行事で、紙で作った人形を川へ流す「流し雛」は「災厄よけ」の守り雛で、ひな祭りの原型とされ、名古屋の徳川園では、現在も年中行事となっている。 手作りの作品を龍仙湖に流すことができる。 

 この時期には、全国各地で特色ある雛人形の公開展があり、近くでは徳川園(名古屋)、岩崎城(日進市)、足助町(豊田市)などが有名である。 

 ひな祭りにちなんだ童謡はいくつもあり、これが耳に響くと春近しを感じとることができ、若返った気分になれるのは良いことである。

 笛なくも律儀にポーズ囃子雛  中島 葵
 雛の灯に雪のあかりの加はりぬ  小野寿子
 ひなの日や蔵から都遷しあり  横井也有

赤倉ホテルの雛
新潟県 赤倉ホテルの雛人形 (2017年2月19日 撮影)
スポンサーサイト

台風の当たり年と外れ年

 今年は野菜類の育ちが早く、我が家のトマトやナス、キューりはいずれも収穫期に入り、おかげで食卓がにわかに豊かになったのはうれしい。 気候変動で今年のトマト(蕃茄)の収穫は例年に比べ約1ケ月も早いようだ。 トマトは今やスーパーで年中売られているが、自分で作った完熟トマトの味を上回るものはまずないといってよい。 原産地のペルーでは、今、白熱した大統領選挙で燃えているようだが、トマトは人々の嗜好に合わせて品種改良が重ねられ、現在では8000種類以上あるというから驚きである。

 さて、昨年は台風の当たり年だった。 第1号は年明けの1月14日に発生し、以後、年の暮れの12月まで毎月発生し、何と8月には2個が同時に発生するなどして、合計27個となった。 1年を通して毎月の発生は、1951年の統計開始以来初めてであった。

 一転して、今年は6月に入ってもまだ台風1号は発生していないのだから驚きである。 7月に台風1号が発生した1998年7月9日以来、18年ぶりの遅さだという。 原因は、2014年夏に発生した強力なエルニーニョ現象の影響で、フィリピン付近に強い高気圧が張り出し、台風を作る場所がないからのようだ。 エルニーニョ現象は、赤道付近のペルー沖から中部太平洋にかけて、数年に一度、海水温が平年より高くなる現象である。 今年は、エルニーニョ現象が終息する年に当たるが、過去のデータによると、この現象が終息する年には、台風1号の発生が遅くなっているという。

 台風が上陸すると、トマトの棚が傾くなど、農作物や家屋の被害は甚大となることが多い。 今年は7月頃まで台風不作の状態が続くようだ。 8月からも少ないことを願いたいものだ。

千万の宝にたぐひ初トマト  杉田久女
虹立つやとりどり熟しトマト園  石田波郷
育てたる妻をしのぎて蕃茄の木  山口誓子

完熟ミニトマト
我が家の畑で収穫期を迎えたミニトマト (2016年6月4日 撮影)

大玉蕃茄
遅れじと熟し始めた大玉トマト (2016年6月4日 撮影)



 

双子の父親が異なることも

 めったに起きないことが起こるのが世の常という。 インドの医療施設で、最近72歳の女性が体外受精で第1子の男児を初産し話題となっている。 妊娠し無事に出産した女性としては世界最高齢だという。 だが、インドでは出生証明書がないので、自身の正確な年齢を知らない人が多いらしい。 英国では、2009年に66歳の女性が出産に成功している。 「意志あるところに道あり」で、チャレンジすれば不可能が可能になる時代である。

 次には、最近のベトナムで起きた話である。 生まれた双子が2歳になり、1人は髪の毛が多くて、縮れ毛なのに対し、もう1人は髪の毛が少なく薄くてストレイトであり、顔も似ていないので、DNA鑑定をしたところ、父親が別々の男性だったことが明らかになったという。

 米国では、昨年ニュージャージー州で、双子を生んだ母親が相手の男性に対し双子の養育費用を請求した訴訟があり、裁判所が双子のDNA鑑定を実施したところ、この男性は双子の一方だけの父親であることが判明し、裁判所は男性に対し、1人分の養育費を支払うよう命じたという。  

 女性の卵子の寿命は2日以内、男性の精子の寿命は10日間であり、本来は1か月に1個だけの排卵が2個あり、排卵前後の1週間ほどの間に複数の男性と性交渉をもつと、父親の違う双子が生まれる可能性がでてくることになる。

 英語のことわざに、「 Miracles happen to those who believe in them. 」(奇跡はそれを信じる人に起きる)というのがある。 信じる心があれば、奇跡を起こせる時代に我々は生きているようだ。 

芍薬の蕾のどれも明日ひらく  海野良子
芍薬のつんと咲けり弾宗寺  小林一茶
嫁やさし芍薬剪りに庭へゆく  大場白水郎

芍薬H28
我が家の庭で咲いた芍薬(2016年5月19日 撮影)

春爛漫と人工知能

 今日から新年度である。 昨日朝、職場の玄関に近づくと、今年初めてウグイスの「ホーホケキョ」という鳴き声を2回聞いた。 ウグイスは春告鳥の別名をもち、コマドリ、オオルリとともに、日本三鳴鳥の一つだが、鳴き声の美しさは最も日本的で、やはり一番だと思う。 勤務先の老健(和合の里)は、伝統ある春のクラウンズゴルフ大会の会場として全国的に名前を知られた和合ゴルフ場に隣接しており、自然が豊かで季節を感じるには良い立地である。

 玄関近くにあるソメイヨシノは2~3分咲きで名古屋市内の桜に比べてやや遅咲きのようだが、今週末には満開となる桜が増えそうで、周辺では花見シーズン全開となりそうだ。 因みに名古屋では昨日、満開宣言があった。 桜の原種は約10種類とされ、その交配によって現在は300種類以上の桜が誕生し、早咲きから遅咲きまで1か月以上にわたって楽しめるのが良い。

 さて近年、将棋や囲碁の世界では、プロの名人がコンピュータ ソフトに挑戦しても、簡単には勝てないほど、人工知能(AI:Artificial Intelligence)のレベルが高くなった。 折しも、AIの利便性向上の流れをさらに加速する目的で、米国IT大手のマイクロソフトはAIの開発を支援する新しいソフトを技術者向けに提供を開始すると発表した。 

 先日の報道によると、自治医大などの研究グループは、人工知能とロボットを使い、患者の症状や過去の病歴を入力すると、コンピュータが可能性のある病気の診断名とその確率を告知し、診断を確定するための検査法や治療なども助言できる医療支援ロボットを開発しつつあり、来年度にも試験運用する予定だということだ。 使い方次第で、面白い存在になりそうだ。 医療の世界にも新しい風が吹き始めている今日この頃である。

落ちなむを葉にかかへたる椿かな  黒柳召波
若雀椿ころがして遊ぶ也  小林一茶
紅椿悪意あるごと紅の濃し  渡辺梅子
人の息かからぬ高さ白椿  長谷川貴枝

H28.3庭の椿
見どころを迎えた我が家の椿 (2016年3月27日 撮影)

初春に想う

 明けましておめでとうございます。 

 「1年の計は元旦にあり」という。 人が生きるには、やはり「元気が一番」である。 元気であるためには、人が良い状態にあること、つまり「Well-being」を維持することであり、そのためには日頃から自らの心身を鍛える努力を怠ってはならないと思う。 成人は加齢とともに老化するので、食事、運動、睡眠の三つの健康習慣を自分なりに上手に取り込んで、まずは身体を可能な限りよい状態に保ちたいものだ。 心をよい状態に維持する因子としては、1)やってみよう因子(積極と成長)、2)ありがとう因子(連携と感謝)、3)なんとかなる因子(前進と楽観)、の3つの因子があり、これらをいつも心に留めて生きていきたいものだ。

 年末年始の休暇は、例年家族スキーを楽しめるので好きである。 今年も志賀高原で丸3日間スキーを満喫した。 暖冬で雪が少なく心配であったが、到着日の1~2日前に降雪があり、ほぼ全ゲレンデで滑走可能となったのはよかった。 新春の2~3日には大学対抗の箱根駅伝を楽しんだ。 駅伝には毎回多くのドラマがあって面白い。 3日には、自宅から7kmほど離れた針名神社へ夫婦で歩いて初詣に出かけた。 礼拝してお神酒をいただき、おみくじを引くと私は吉、妻は大吉とでた。 新しい年の船出としては悪くないようだ。 

 このお正月、をのどに詰まらせ窒息する事故が相次ぎ、東京都内だけで元日から3日にかけ男女18人が救急搬送され、うち2人が死亡したという。 人間、齢をとると顎を使って咬む力が衰え、キザミ食や手キザミ食でないと食べれなくなる人が増える。 咬む力はワニが地球上で最強とされる。 人間の咬む力は、大型のゴキブリの1/5で、結構弱いのだ。 ゴキブリは必要があれば木材のような硬いものをかみ砕けるという。 お餅は高齢者にとって最も窒息を起こしやすい食物の一つである。 体外では50~60°Cで柔らかく伸びやすいが、口の中では温度が低下し粘っこく硬くなるので、食べる人の咀嚼能力に応じて、一口で食べれる大きさに切り、普通の食事以上に多く咬む必要がある。 

 餅が気管を塞ぎ声が出せず、顔色が真青になった時には、119番通報をするとともに、直ちに気道内餅の除去を開始すべきである。 とるべき方法として、1)背部叩打法として、頭を低くして背中をたたく、2)口をのぞき、指で取れるようなら指でかき出す、3)上腹部圧迫法(ハイムリック法)として、患者の後ろに回り、両手で上腹部を圧迫する、などがある。 ただし、上腹部圧迫法は、乳児では内臓損傷のリスクがあるので行わない。 また意識がない場合には、躊躇なく心肺蘇生法を行う必要がある。 
 

初滑り孫に越さるる急斜面  中島澄夫
三世代シュプール揃へ初滑り  中島 葵
初春へ一歩踏み出すあしたかな  水原春郎

一の瀬1
志賀高原・一の瀬スキー場:ファミリー メインゲレンデ (2015.12.30 撮影)

H28焼額山頂
志賀高原:焼額山スキー場・山頂付近にて (2015.12・31 撮影)

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR