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ナッツ類と心血管疾患

 クルミやアーモンド、カシューナッツなどのナッツ類は多脂性食品で、少量でもカロリーの多い食品だが、不飽和脂肪酸、ビタミンE、Ca,K,Mg、食物繊維などを豊富に含み、過去の疫学的調査研究で高血圧、メタボ、糖尿病などの予防に効果的だとされている。 またナッツ類を多く食べる人は心血管疾患にかかりにくいともいわれてきたが、どの心血管疾患に有効かどうかについては検討がなかった。

 最近のスウェーデンの研究グループ(S Larsson ら)が、約6万人の成人を17年間追跡調査した結果、ナッツ類をよく食べる人は、心房細動心筋梗塞心不全腹部大動脈瘤が有意に少ないことが分かったとしている。 特に心房細動と心不全のリスク低下と関連が高かった。 ナッツ摂取がリスク低下と関連していなかったのは、大動脈狭窄、脳梗塞、脳出血であった。

 米国人は、1日の摂取カロリーの25%を間食からとっているという調査結果がある。 間食が楽しみな高齢者にとって、ナッツ類はうってつけの間食になると言えそうだ。

そのあたりほのとぬくしや寒牡丹  高浜虚子
口々にこれはこれはの冬ぼたん  高澤良一
囲はれておのれを尽す寒牡丹  佐藤信子
ひうひうと風は空ゆく冬ぼたん  上島鬼貫

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冬牡丹:島大臣 (2019年2月10日 撮影)

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冬牡丹:七福神 (2019年2月10日 撮影)

 
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腸内細菌と病気

 この数年、病気の人の腸内細菌を健康な人の腸内細菌で置き換える治療、便移植が世界的に盛んになりつつある。 高齢者の抗菌薬治療に伴って発症しやすい偽膜性大腸炎には特に有効な治療法となっている。

 人の腸内には1000種類、数にして600~1000兆個、重さにして1.5~2kgの細菌が棲息し、人体への影響によって善玉菌日和見菌悪玉菌の3つに分類されている。 健常者では3者の割合が大体2:7:1の割合でバランスをとっており、日和見菌は善玉菌が優位になると善玉菌の方になびき、悪玉菌が増えると悪玉菌側になびくことが多いとされる。  腸内細菌は花になぞらえて、腸内フローラとも呼ばれ、その構成はその人の食習慣や加齢などによって変化し、人それぞれが独自のものを持ち、誰一人として同じものはないという特徴がある。

 肥満の人の便をマウスに移植すると、マウスは肥満となり、やせた人の便をマウスに移植すると、マウスはやせてしまうことが実験で証明され、人でも同じ現象がみられるというから面白い。 がんの増殖や心臓の冠動脈疾患に関与する細菌群も指摘されており、さらなる研究が進みつつある。

 最近発表された国立長寿医療研究センターや東北大などの共同研究によると、認知症の人の便には、一般にやせ型の人に多いとされるバクテロイデスという種類の細菌が少なく、バクテロイデスの多い人は認知症になるリスクが、少ない人に比べて、10分の1と大幅に少ないことが判明したという。 バクテロイデスが産生する化学物質との関連が想定されるようだ。 便移植で認知症の予防が可能になるかどうか興味深いものがある。

しんしんと寒さがたのし歩みゆく  星野立子
いくたびも雪の深きを尋ねけり  正岡子規
初雪や水仙の葉のたわむまで  松尾芭蕉
シリウスがひときわ光る冬の空  中島澄夫

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妙高山を望む:赤倉観光リゾートスキー場にて (2019年1月28日 撮影)

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冬の赤倉観光ホテル (2019年1月28日 撮影)

インフルエンザの流行

 例年1月下旬から2月上旬にかけてインフルエンザの流行がピークを迎えることが多く、今年もしかりである。 勤務する施設でも先々週からまず職員が、続いて入所者にも感染が始まり、拡大防止に努めなくてはならない。

 厚労省の発表によると、1月20日までの1週間における全国の定点医療機関当たりのインフルエンザ患者数は、1医療機関当たり53.9人となり、警報レベルの30人を、青森、秋田、島根の3県を除き、44都道府県で達成したという。 都道府県別にみると、1医療機関当たりの患者数が最も多いのは、なんと地元の愛知県で、続いて埼玉県、静岡県の順に多くなっている。 重症化して入院となったケースを見ると、60歳以上に多いが、10歳未満も目立っている。 ウイルスはA型が主流である。

 インフルエンザは感染症だから、まずは自分の免疫力を高めることが最も重要で、次には感染力の強い感染源のウイルスをできるだけ遮断することである。 不幸にして感染した場合には、抗ウイルス薬を使用する。 

 免疫細胞を活性化し、免疫力をアップする方法として、ワクチン接種以外に、1)定期的な運動や入浴で体温を上げ、体内の代謝を活性化する時間帯を作り、血流増加によって免疫細胞を全身にいきわたらせる、2)納豆や乾物ヨーグルトなど発酵食品、キノコ類などを積極的に摂取することによって腸活をはかり、腸内細菌を善玉菌優位にする、3)落語や陽気なドラマで「笑い」の機会を多く作り、リラックスできる時間帯を増やす、などがある。 

 どこでも簡単にできる免疫力アップ運動として、1)口を大きく開けて発声する「アイウベ運動」、2)つま先で立ち両足のかかとを一気に落として骨を刺激する「かかと落とし運動」の2つが知られる。 日頃から感染症に強い体作りに励みたいものだ。

去年今年貫く棒の如きもの  高浜虚子
指ふれて脈のしづかに去年今年  島田尚子
去年今年水の流れに起伏あり  関根洋子
病人を叱り励まし去年今年  山田弘子

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志賀高原・焼額山スキー場  (2019年1月4日  撮影)

H31志賀スキー
志賀高原・焼額山スキー場にて  (2019年1月4日 撮影)


加齢と味覚障害

 年末年始は、ご馳走に接する機会が増えて楽しいが、ヒトは年齢を重ねるにつれて舌にある味蕾が委縮、減少するので、大なり小なり、味覚障害をきたすことが知られている。 味を感知する味蕾は、50~150個の味細胞からなり、細胞の寿命は約10.5日と比較的短い。 味蕾は約1か月のサイクルで生まれ変わるが、この際沢山のの亜鉛を必要とするため、亜鉛不足が最も影響する場所が味蕾だといわれる。 亜鉛は白血球にも含まれ、不足すると免疫力の低下につながる。 

 幼少期に9000~10000個もある味蕾は、高齢になると1/3まで減少しうるとされるのだ。 亜鉛を沢山含む食品はカキと豚肉だが、特にカキには多いことが知られる。 

 他に味覚障害をきたす原因には、舌苔の増加や、味の成分を溶解して味蕾に届ける唾液分泌の減少、多剤薬物服用で薬物と亜鉛が結合し、亜鉛が吸収されにくくなって亜鉛不足となってしまう、などもある。 

 味には塩味、苦味、甘味、酸味、うま味などが区別され、高齢者では特に塩味を感じにくくなるため塩分過剰摂取になりやすいので高齢家族には若い人の定期的介入が望まれるわけだ。 味覚の閾値にはかなりの個人差があり、特に苦味物質であるPTCの閾値の高いグループは味盲と呼ばれ、日本人で8~15%、白人で30%に達するとされる。

 米国バージニア・コモンウェルス大学の研究グループの発表によると、味覚障害のある人の多くは、同時に鼻に原因のある嗅覚障害を併せ持っているという。 同大の味覚・嗅覚クリニックを受診し、味覚と嗅覚の両方に異常を認めた295人を精査したところ、嗅覚機能の異常を86%、味覚機能の異常を10%認めたという。 また味覚障害のみを訴えた63人の精査では、味覚機能の異常は25%で、嗅覚機能の異常が44%と、嗅覚機能異常の頻度の方がはるかに高かったという。

 味覚と嗅覚は食べ物のおいしさを感じる上で、密接に関係しており、舌と鼻を共に健全に保つことが食生活を豊かにしてくれる条件といってよいようである。

朝日浴び親子三代初滑走  中島澄夫
年新た巻き癖残るカレンダー  小森葆子
古郷は牛も寝て見る椿かな  小林一茶
つがい来て椿ついばむシジュウカラ  中島澄夫

元旦の玉霞2
我が家の庭に咲く椿:玉霞 (2019年元旦 撮影) 

新年を迎えて

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 平成最後の新春となりました。 今年もよろしくです。 例年スキー旅行のため、元旦には初詣できていなかったが、今年は志賀高原へのスキー日程が3日からになったので、針名神社への初詣を元旦に実行することができた。 例によっておみくじを引いたところ、なんと「大吉」が出て、晴れ晴れとしたスタートとなったのはよかったです。 皆さんともども良い年を期待したいものです。

 さて、2019年のエト(干支)はイノシシである。 昨年は豚コレラの感染がイノシシまで拡大し、とんだ被害を受けたイノシシだが、近年山間地域では、その数が爆発的に増加して田畑を荒らすため「有害鳥獣」の一つに指定されている。 2017年度の農作物の被害総額は、約48億円に上るというから馬鹿にできない数字である。 捕獲数は年々増加しているというが、とってもとっても繁殖が盛んで減らないというから深刻ではある。 

 猪の肉には保温、血行促進、解毒などの薬膳効果を含めて、万病予防の効果があるといわれる。 駆除頭数は年間60万頭を超えるらしいが、現在食用などに活用されるのは7%前後と低い問題もあるようだ。 亥年は十二支の中では最後の年である。 次の始まりに向けて、イノシシの肉や皮の活用をもっと広め、広い視野を持って有害鳥獣の有効活用法を考える時でもあるように思う。

ぬくもれと猪肉送り来たりけり  細見綾子
らしくともらしくなしとも猪の跡  飯島晴子
山畑や猪の足跡を打ち返す  正岡子規
内臓ぬかれたる猪のなほ重し  津田清子

元旦の玉霞1
我が家の庭に咲く椿:「玉霞」 (2019年 元旦 撮影)

焼額スキー場1
志賀高原・焼額山スキー場より東館山方面を望む (2019年1月4日 撮影)

 

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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