8020運動の大切さ

 80歳になっても永久歯を20本持っていれば、ほぼ満足した食生活を送ることができることから、国の重要健康施策の一つとして、今から29年前(1989年)に、ハチマルニマル(8020)運動がスタートした。 運動開始時における8020達成者は7%に過ぎなかったが、その後順調に増え、昨年の調査では51%となり、ほぼ半数の人が8020を達成する時代となった。 口内清掃に対する意識とセルフケア能力の向上がうかがわれ喜ばしい限りだが、一方では約半数の人が12本以上の歯を失っているという事実があり、課題は残る。 

 歯を失う2大原因は、虫歯歯周病であり、高齢者では歯周病が最大原因となる。 歯周病は2型糖尿病の危険因子の一つで、歯周病を治すと糖尿病のコントロールが著明に改善されることはしばしば経験されるが、最近の研究によると、口腔ケアをまじめにやると、大腸がんを予防できる可能性があるという。 大腸がんは日本人のがん死亡数で、女性第1位、男性第3位であり、その予防は重要課題と言ってよい。

 横浜市立大学の研究グループの発表によると、歯周病菌の一つであるFusobacterium nucleatumが、大腸がん患者のがん組織と唾液の両方に存在し、検体をAP-PCR法で分析したところ同一菌株と判明したという。 歯周病を治療すれば大腸がんの予防にもつながる可能性があるというわけだ。 今後のさらなる研究の進展に期待したい。

庭鋏噴き出す汗や蜂二匹  中島澄夫
瓜もみの加減も駆れて大暑かな  中村汀女
あつき夜をありがたがりて寝ざりけり  小林一茶

庭のシャクヤク1
我家の庭に咲く芍薬 (2018年6月4日 撮影)
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がん検診の上限年齢

 日本では高齢になっても、定期的に「がん検診」を受けることが推奨されてきた。 市町村実施の検診は、公費負担によって低額で受けることができ、対象年齢は胃がんが50歳以上、大腸がん、肺がん、乳がんが40歳以上、そして子宮頸がんが20歳以上となっている。 

 欧米では、「がん検診」の推奨年齢範囲が決まっており、上限年齢が設定され、例えば乳がんの場合の上限年齢は、米国64歳、カナダ69歳、英国73歳、オーストラリア74歳などとなっている。 検診年齢に上限がないのは、先進国では日本と韓国だけである。 

 検診の主目的はがんの早期発見であるが、バリウムによる胃検診であれ、内視鏡検査であれ、検査による不利益もあり、最悪の場合には、検査による死亡例もある。 また、せっかく検診でがんが発見されても、高齢で治療に耐えられなければ、検診の意味は失われることになりかねない。 

 厚生労働省は検診対象年齢の上限を検討する方針を決め、早ければ来年度にも検診の現行指針を改正する方針を決めたという。 先ずは妥当な処置だと思うが、高齢者の特徴の一つとして、健康格差が大きくなり、血管年齢、骨年齢、筋肉年齢、知能(脳)年齢などで個人差が大きくなるので、暦年齢だけで線引きするのには問題があることを十分考慮すべきであると思う。

新茶の香真昼の眠気転じたり  小林一茶
衰へや歯に喰いあてし海苔の砂  松尾芭蕉
白南風や検診すべて異常なし  中島澄夫

蓼科チューリップ1
八重のチューリップ (2018年春 撮影)

大阪北部地震

 今週月曜日(6/18)朝、当地では震度3~4の地震があった。 いつもよりちょっと長いなあと思い、阪神・淡路大震災の時の長さを思い浮かべながら、ひょっとすると大きな被害が出ている地域があるかもしれないと心配した。 しばらくして大阪北部にマグニチュード6.1の地震が発生したことを知った。 

 不法建築の小学校のブロック塀が崩れ落ち、登校中の女子小学生が下敷きになって死亡するという何とも痛ましい事故が報告された。 3年前に塀の危険性を外部より指摘され、校長が市教育委員会に伝えたが、ハンマーでたたく程度の検査で、「安全」だと結論されたというのも納得できないことである。 この地震で5名が死亡し、300名以上が負傷し、建物被害は2500棟超とされるが、都市部の地震としては、被害が少なかったかもしれない。 W杯サッカーで、翌日(6/19)夜にタイミングよく日本が格上のコロンビアに勝ち、被災者に元気を届けられたのはよかった。

 昔から怖いものに、「地震、かみなり、火事、おやじ」があると教えられている。 地震はいつ起こるか、全く予測できない怖さがある。 よって常日頃から、それなりの安全対策が必要であることは誰でも理解できるが、それが実際にはなかなか難しいのだ。 ベッドわきに「ヘルメットを置く」とか、「寝る場所の周囲に家具を置かない」、などの事は比較的簡単にできるのだが、それ以上はなおざりがちになる。 地震への備えは、それなりに心して生きていきたいと思うこの頃ではある。

地震りて額の動ける夏館  高浜虚子
若葉して海神怒る何事ぞ  正岡子規
地震よと立ち上がりたる松露掻  茨木和生
風蘭のさゆるるはいま震度三  鈴木芳如

庭シャクヤク2
我が家の庭の芍薬 (2018年春撮影)

セクハラ禁止条約

 気象庁によると近畿、東海、関東地方は、昨日梅雨入りになったという。 今年の梅雨は短期集中型で、短いが時に大雨や豪雨になる可能性があるので、雨対策が必要だ。 今年はサツマイモの苗を植えて数日後に降雨があったので、紅ハルカの苗11本すべてが根付いてくれてよかった。 珍しいことである。 例年より高温の日が多いためか、6月上旬で早くもトマトが色づき食卓を飾り始めた。 畑でとれたトマトの味は何物にも代えがたく、格別である。

 さて、スイス・ジュネーブで開催された国際労働機関(ILO)の総会は、職場での「セクハラや暴力」をなくすため、拘束力をもった国際基準の条約を制定することを決定した。 これに対し、EUや中南米アフリカ諸国、中国などが賛成しているのに対し、米国とロシアが反対し、日本は保留の姿勢だと報道された。 政府高官や省庁幹部などがセクハラ問題を起こしている国などでは反対に回っているようである。 日本の消極姿勢は、国内法が未整備のため、国際基準が先行して条約化されると、対処がむ難しくなるなどの理由もあるとされる。 

 ILOは今年の年次総会で、委員会の案を煮詰め、来年の年次総会で条約を制定し、職場におけるあらゆる形の暴力とハラスメントの禁止を目指すとしている。

 職場におけるセクハラや暴力は、いかなる理由があろうとも、人間としてあってはならない行為であり、条約を阻害するものは何もないはずである。

青空に頬張るトマトこの世かな  中島澄夫
爽やかやとろりとすするトマト汁  日野草城  
千萬の宝にたぐひ初トマト  杉田久女
朝もぎのトマト一つを袖ぬぐひ  鷹羽狩行

プチトマト1
色づき始めたプチトマト (2018年6月3日 撮影)

中玉トマト1
色づき始めた中玉トマト (2018年6月3日 撮影)

大玉トマトH30
肥大した大玉トマト (2018年6月3日 撮影)

名画 「妻よ薔薇のように」

 家から車で10分ほどの場所に大型商業施設ができ、中にシネマ館がオープンしたと聞き、初見参となった。 これは距離的に我が家から最も近い映画館となる。 目的は山田洋次の最新作「妻よ薔薇のように」の鑑賞である。 これは監督、脚本、原作とも山田洋次、上映時間2時間余り、なかなかの秀作であった。 この映画はシリーズ物で、「家族はつらいよ Ⅲ」に相当するという。 Ⅰ、Ⅱは観ていない。 

 主演を務めるのは、夏川結衣(史枝)で、多くの演技派が脇を固める。 ストーリーは、三世代が同居する平田家に泥棒が入り、香港へ短期出張中の長男(幸之助)の嫁、史枝がこっそり貯めていたへそくり40万円が盗まれる。 帰国して激怒する幸之助に愛想をつかした史枝は、実家のある信州佐久の茂田井へ帰ってしまう。 突然襲った食事作りや掃除、洗濯など家族が直面する大騒動をユーモアたっぷりに描き、なかなか見ごたえがあり、観る人を楽しませる。 超高齢社会の問題もさりげなくちりばめて妙がある。 

 因みに史枝が突然身を隠す中山道、宿場の「茂田井」は、偶然にも私の生まれ故郷である。 映画では、地理的説明が全くないが、遠くに浅間山が見える風景や、老舗の造り酒屋「武重本家酒造」など、懐かしい風景に接し、自分の子供時代がよみがえった。 興味津々で、至福の123分であった。

有明や浅間の霧が膳をはふ  小林一茶
大浅間窓に納めて深雪晴  松浦靖子
雪形の鯉滝登る大浅間  石田彰男
浅間背に日覆したる家並び  高浜虚子

チューリップ2
八重のチューリップ  蓼科高原にて (2018年4月30日 撮影)

シャクナゲ
蓼科高原に咲くシャクナゲ (2018年4月30日 撮影)

プロフィール

中島澄夫

Author:中島澄夫
約80坪の畑を耕し、ブロッコリー、トマト、ナス、ニンニク、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、大根、生姜、馬鈴薯、玉葱、白菜、青梗菜、小松菜、空心菜、金時草、水菜、スナックエンドウなどを自家用に栽培。近著として、「高齢者医療:健康長寿と全人的ケアをめざして」(オーム社、H20.4)など。名古屋市緑区在住。

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